4月3 - 4日、ワンメイクレース「ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)」の2010シーズン第1戦と第2戦が岡山国際サーキットでダブルヘッダー方式で行われた。
3日の第1戦、予選結果からフロントローに並んだのは、予選トップタイムを叩き出したゼッケン1番の清水康弘選手(クラスA)と、若手ドライバーオーディションを勝ち抜いたゼッケン10番の安岡秀徒選手(クラスA)。予選ラップタイムが近かったふたりだけに、決勝は2選手の一騎打ちの様相も呈していた。
総勢12台のマシンがフォーメーションラップを終えると、グリーンシグナルの点灯で一斉にスタート。絶妙なスタートでトップを奪ったのは、ポールポジションの清水選手。その後ろから安岡選手、ゼッケン5番の高見沢一吉選手(クラスA)が1コーナーへなだれ込んでいく。
「スタートを決めて、最初の数ラップをプッシュする」と語っていた清水選手は、その言葉通り3周目にファステストラップの1分33秒940を叩き出し、後続を引き離しにかかる。なんとかそれについていきたい安岡選手だったが、毎周コンマ3 - 5秒ずつ引き離されてしまう。
トップ2人が1分34秒台でラップし、レースが膠着状態に入るなか、ひとり気を吐いたのがゼッケン6番の小林賢二選手(クラスA)だ。6周目に4位を走行するゼッケン47番の福原稔選手(クラスA)をパスすると、さらにペースアップし3位の高見沢選手を射程圏内に捕らえる。
ふたりのバトルはコンマ差で続いた。執拗に後方からプッシュする小林選手だが、3位を走る高見沢選手も付け入る隙を与えない。そして最終ラップ、2コーナーでわずかに開いたインを小林選手が突く。
サイド・バイ・サイドでコーナーに進入した2台はフェンダーが接触。幸いマシンにダメージはなく、小林選手を0.25秒差で抑えきった高見沢選手が自身初となる3位表彰台を手にした。
優勝は終始安定した走りでラップを重ねた清水選手。2位以下に大差をつけてシリーズ開幕戦を制した。清水選手は「圧勝に見えるかもしれないけれど、ミラーの見える位置に安岡選手がいたから、レース中はまったく気が抜けなかった」と振り返る。
2位に入った安岡選手は、「思ったよりも離されてしまった。やるべきことは分かってきたから、明日は行けると思う。2ポイント差の2位だし、今回は及第点です」と笑顔を見せた。