トヨタが米国で展開している若者向けブランド、サイオン。その主力車種の『xB』(日本名:トヨタ『カローラルミオン』)をベースにしたドラッグレーサーが3月末、米国で実戦デビューを果たした。
カローラルミオンのドラッグレース仕様車は、ラリー・ケリー氏が代表を務める「ケリーレーシング」が手がけた。同氏は1980年代、フォルクスワーゲンでドラッグレースに出走し、名を馳せた人物だ。
ケリーレーシングは2005年から、米国トヨタと協力関係にあり、2006年春に『カローラXRS』をベースにしたドラッグレーサーを開発。NHRA(全米ホットロッド協会)のスーパーストックEXクラスにおいて、0-400m加速9.68秒(最高速225km/h)の最高記録を樹立している。
このカローラXRSとルミオンは、ホイールベースが同一。その縁で、ケリーレーシングは、ルミオンのドラッグレーサーを開発することになった。
見た目こそルミオンだが、ドラッグレーサーの中身は別物。パイプフレームで組まれたシャシーに、NAエンジントップクラスの性能を誇るTRDチューンの3RZ型2.6リットル直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。ボディパネルは、軽量なカーボンファイバーで構成されている。
ルミオンのドラッグレーサーは、3月27 - 28日、アリゾナ州ツーソンのSIRドラッグウェイでデビュー。ドライバーは、ラリー・ケリー氏の息子で1999年、NHRAで初優勝しているスコット・ケリー氏だ。ボクシーなフォルムからは想像できない圧倒的加速性能は、0-400m加速10秒台前半の実力。デビュー戦の映像は、動画共有サイトで見ることができる。