なぜ プリウス が受賞を逃したのか…ワールドカーオブザイヤー会長が明かす

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ワールドカーオブザイヤーのVWポロ
ワールドカーオブザイヤーのVWポロ 全 6 枚 拡大写真

トヨタ『プリウス』は、なぜワールドカーオブザイヤー受賞を逃したのか。2010年のワールドカーオブザイヤーのプレゼンターを務めたピーター・ライオン氏に聞く。彼は今年で6回目を迎えるイベントの5人の共同会長のひとりでもある。

--- 昨年のゴルフに続きフォルクスワーゲン(VW)の『ポロ』が選ばれました。

ライオン:今年は6回目ですが、アウディ『A6』、BMW『3シリーズ』、レクサス『LS460』、『マツダ2』、VW『ゴルフ』、ポロと、ドイツ勢と日本勢で独占しています。いまクルマづくりをリードしているのはこの両国だと言って間違いないと思います。VWは2年連続になりましたが、メルセデスベンツ『Eクラス』とは僅差だったと思います。

--- 日本カーオブザイヤーを受賞した『プリウス』が世界一になれなかった理由はどこにあると思いますか。

ライオン:アジアやアメリカほど欧州ではハイブリッドが評価されていないことが理由だと思います。クルマへの価値として運転の楽しみを重視する傾向にある欧州ではエコカーとしてクリーンディーゼルがハイブリッドよりも高い評価を得ています。欧州では女性ドライバーであっても小排気量のクリーンディーゼルとマニュアルトランスミッションを選ぶような土地柄です。CVT前提のハイブリッドはそのあたりでも厳しい評価のようです。

--- 全投票において欧州ジャーナリストの割合は大きいのでしょうか。

ライオン:全25か国59票のうちの約25%の15票です。カナダ含む北米も15票。日本や中国などアジア票も15票。残りの14票が南米やオセアニア、ロシアや旧東欧諸国に振り分けられます。今年はちょうど選考過程の時期にトヨタの品質問題が話題になりました。これによってプリウスが票を逃している可能性は否めないと思います。

--- ここニューヨークでワールドカーオブザイヤーが発表される意義はどこですか。

ライオン:時期的な理由が大きいです。3月のジュネーブモーターショーで各賞のベスト3を発表して4月のニューヨークモーターショーで発表します。ニューヨークもジュネーブも国際都市としてホスト役の地元メーカー色が薄いのもいいと思っています。一方で、世界一の市場となった中国をもっと重視してゆこうと理事たちでいま話し合っているところです。まず中国の票を現在の4票から日本と同じ7票にします。そして最終選考の発表を北京モーターショーや上海モーターショーで行うことも検討しています。たとえばニューヨークとの隔年交互で中国で発表を行うことなども案のひとつです。

《三浦和也》

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