HV・EV世界市場、2020年に1800万台へ成長…富士経済

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富士経済は、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)と、その関連部品やインフラ設備の世界市場を調査し、結果を報告書「2010年版HEV、EV関連市場徹底分析調査」にまとめた。

調査では、HV、EV、PHVの各市場を国・地域ごとに分類し、2020年までの世界市場を予測した。また、国内外の自動車メーカー19社のケーススタディと、関連部品、関連インフラ主要参入企業の戦略・方向性、開発の現状・将来動向を分析、環境自動車関連市場を総合的に捉えた。

報告書によると、2009年のエコカー世界市場は前年比44.2%増の76.3万台と成長し、さらに2010年は100万台突破が見込まれる。2015年は500万台を超え、2020年には1800万台を超える急成長を予測する。

現在のエコカー市場の大半を占めるHEVは、2009年に前年から3倍近く出荷台数を伸ばした日本を中心に、大幅な成長を遂げた。トヨタ自動車の『プリウス』、ホンダの『インサイト』が全体をけん引した。2009年時点のHV参入メーカー(量産販売に限る)は、トヨタ、ホンダ、日産、GM、フォード、ダイムラーに限られる。

EV市場は、2009年に三菱が『i-MiEV』、富士重工業がスバル『プラグインステラ』をそれぞれ投入し、創生期を迎えた。2010年末の日産『リーフ』発売により本格的に市場が立ち上がり、世界で7000台のEVが出荷される見込み。これに加え、主にニッチ市場を狙ったベンチャー系メーカーや他業種の参入も見られ、広義のEV市場は従来の大手自動車メーカー中心の自動車市場とは異なった性質の市場が形成されつつある。2020年には、充電インフラの整備に積極的な欧州を中心に、世界で合計175万台のEVが出荷される見込み。

PHV市場は、まだ本格的には立ち上がっていない。HVの延長線上で、加えてEVの要素も含んだ製品という位置付けで研究開発を行っているメーカーが多い。2010年後半からトヨタ、三菱、GMがPHVを販売する計画だ。

現在、エコカーで最も普及しているHVにはニッケル水素バッテリーが採用されているが、低密度、低出力であるため、次期環境自動車の本命であるEVとPHVでは採用されておらず、これらの点で優位にあるリチウムイオンバッテリーの研究開発が急がれている。しかし、安全面や価格面など、課題も多く、リチウムイオンバッテリーの本格的な採用は2015年、普及期は2020年以降になると予測。

EVとPHVはリチウムイオンバッテリーの研究開発動向に左右されることから、2021 - 2022年にPHVが、EVはやや遅れて2021年 - 2025年までの間に本格的な普及期に入るものと想定している。

《レスポンス編集部》

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