【北京モーターショー10】ロールスロイスのコピー車、独自デザインに…ボルボ買収の吉利

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中国の吉利汽車(Geely=ジーリー)は、23日に開幕する北京モーターショーで、『GE』の改良モデルを披露する。ロールスロイス『ファントム』にあまりに似ていると欧米メディアに酷評された同車だが、フェイスリフトでイメージを一新した。

吉利汽車は、中国・浙江省に本拠を置く民族資本のメーカーで、規模としては国内10番目程度。1986年に設立され、1997年から自動車事業に参入した。2003年からは、海外市場への輸出も開始している。吉利グループは今年3月28日、フォードモーターとボルボカーズの売却に関する正式契約を締結したことで有名だ。

そんな吉利汽車だが、実はコピー車作りに熱心という一面も持つ。その代表例が、2009年4月の上海モーターショーで発表されたGE。ボディサイズは全長5290mm×全幅1860mm×全高1570mm、ホイールベースは3100mmと堂々のサイズ。エンジンは3.5リットルV型6気筒ガソリンで、最大出力277ps、最大トルク35.3kgmを発生する。

GEが昨年の上海モーターショーにおいて、欧米の自動車メディアに注目されたのは、そのスタイルが、あまりにもロールスロイスのファントムに似ていたからだ。パルテノン神殿を思わせるフロントグリルに、「スピリット・オブ・エクスタシー」風のフードマスコットと、遠目からは、ほとんどファントム。もちろん、吉利汽車のトップは、「これは模倣ではない」と頑なに否定していたが…。

物議を醸したGEは、今年の北京モーターショーのステージを飾るのだが、吉利はGEに大幅なマイナーチェンジを実施。フロントはグリルとヘッドライトの形状を改め、流行のLEDデイタイムランニングライトを組み込む。ロールスロイスの伝統であるフードマスコットも、独自のものに取り替えられた。リアはテールランプが縦長から、横型デザインに変更されているのが確認できる。

インテリアは、リアシートが大きく変わった。王様が座るような1名掛けのシートは、2シーターとなり、実用性が引き上げられている。

新しいGEは、23日に開幕する北京モーターショーで正式発表。独自路線へのシフトは、ボルボを買収したことにより、国際的に認められる企業として、社会のルールに従うという吉利の姿勢の表れだろうか。北京モーターショーの他の出展車を見るまでは、判断はできないところだ。

《森脇稔》

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