25日に一般公開初日を迎えた北京モーターショー。中国メーカーが競って独自企画のEVを大量出品する中、研究開発会社のIATアプリケーションテクノロジーは、竹をイメージした涼しげなデザインのコミューター『竹風』、低公害なEVタクシーのありようを提案する『易的』の2モデルを展示し、話題を集めていた。
注目を集めたのはリチウムイオン電池。セル、モジュールはCENATというメーカーのものを使う。CENATはソニーと旭化成がリチウムイオン電池の実用化に成功したとき、開発の中心人物の一人であった小沢和展氏が設立したバッテリー開発会社、エナックスが母体。その将来性に目を付けた中国がエナックスに合弁を持ちかけ、政府系研究機関の中国汽車技術センターとの共同出資で設立した会社で、IATもそこに加わっているのだという。
「上海政府の認可が下りれば、2010年6月には上海でバッテリーを量産する新工場を起工して、2011年にはバッテリーの生産を開始したいと考えている。中国では今後、EV需要は飛躍的に上がる可能性が高い。そこで重要な役割を果たしたい」(IATのマーケティング担当、ツー・ユンタオ氏)
EV本体だけでなく、バッテリーを着脱式として機械で簡単に充電済みバッテリーに交換できるシステムも作っている。この方式はイスラエル系のベタープレイスのものが有名だが、タクシーコンセプトの易的で提案しているものは、中国のオリジナルであるという。