EV普及策にタクシー、ベタープレイスの目論見とは

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バッテリー交換式EVタクシープロジェクトに使われる日産デュアリス
バッテリー交換式EVタクシープロジェクトに使われる日産デュアリス 全 5 枚 拡大写真

4月26日に米国EV(電気自動車)ベンチャー企業ベタープレイスと日本法人のベタープレイス・ジャパンが発表したバッテリー交換式EVタクシープロジェクトで、ベタープレイス・ジャパンの藤井清孝代表取締役社長は「タクシーをEV普及の突破口にしたい」と語った。

「東京のタクシー台数は約6万台と、世界最高レベルにあります。タクシーは街の顔であり、わかりやすい環境発信でもあるのです。市民が直接EVのよさを体験できることも特徴で、大量普及への呼び水になります。今回のプロジェクトによって、東京がアジアにおけるEV首都になることを目指します」

ベタープレイスによれば、大量導入が進めばバッテリーコストと電気代、ステーション償却費の合計はLPG燃料コストを下回るという。車種が少ないのでバッテリーの種類を絞れることもタクシーの利点で、バッテリー交換ステーション(BSS)の場所は老朽化の進むLPGステーションを充てる構想も明かした。

ひとつのBSSで200台のタクシーがまかなえるので、週1か所の割合でBSSを作れば、6年で東京のタクシーすべてをバッテリー交換式EVに置き換えられる計算になる。
 
またベタープレイスのシャイ・アガシ創業者兼CEOは、タクシーというタフな状況でバッテリー交換式EVを実証運用できることに価値があると語ったうえで、次のように将来を展望した。

「石油の埋蔵量は限られており、今後中国などでガソリン車の台数が増えると燃料代が高騰する恐れがあります。しかしEVは逆に普及するほど価格は下がります。ベタープレイスは世界中で似たようなプロジェクトを10 - 15個考えています。タクシーが唯一の手段ではなく、高齢者送迎者や宅配用トラックなど、地域の状況に合わせた方法で普及を考えています」

アガシCEOによれば、日本は世界的に見ても行政の対応が異例に前向きであり、積極的な姿勢が他国に先んじた導入につながったことにも言及。発表会に同席した経済産業省・資源エネルギー庁の中村稔石油流通課課長や国道交通省の桝野龍二自動車交通局局長に賛辞を送っていた。

《森口将之》

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