世界の自動車メーカーの注目を集める北京モーターショー2010(2010 Beijing International Automotive Exhibition)。北京郊外にある会場、北京国際展覧中心新館のなかで、ダントツに広いフロアを占有しているのは、中国市場のトップメーカー、フォルクスワーゲングループ(VWG)で、東第5ホール(E5)を丸ごと占有している。
アウディ、フォルクスワーゲン、シュコダの量産3ブランドと、ランボルギーニ、ベントレー、ブガッティ、ポルシェのプレステージブランド4つの、計7ブランドのブースを館内に設置。デザイン、作り込みとも、他メーカーのブランドと一線を画するハイレベルな仕立てで、来場者へのアピール度もケタ違いであった。
来場者が自由にクルマに乗り込み、感触を味わうことができるのも特徴。ランボルギーニやベントレーなどのプレステージモデルはさすがにダメだが、現地価格が日本円換算で1000万円を超えるようなアウディの上級モデルもドアは開放され、中国のユーザーはコクピットに座ったり写真を撮ったりと、思い思いに“あこがれのクルマ”と触れ合っていた。
ブース建設にこれほどのパワーとマネーを投入したのにはわけがある。北京モーターショーは5月2日で終了するが、VWGはショー終了後も、E5を中国市場最大の常設展示場とする。ショーが終われば解体される他メーカーとは事情が異なるのだ。2013年には華南の広東省に新工場を2つ建設し、日系ブランドが圧倒的多数派を占める同エリアでもシェアトップを目指す構想を打ち出すなど、中国市場でのプレゼンスを高めるのに余念がないVWG。E5の展示はそれを象徴するエキシビションなのだ。