【北京モーターショー10】安徽江淮汽車、2台のエコカーを展示

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安徽江淮汽車のプラグインHVの『和悦混合動力』
安徽江淮汽車のプラグインHVの『和悦混合動力』 全 8 枚 拡大写真
2000社以上の出展者を集める北京モーターショー。中堅メーカーであり、元々は商用車を得意としていた安徽江淮汽車のブースで目を惹くのは、プラグインハイブリッドカーの『和悦混合動力』、ハイブリッドカーの『VISION(愿景)VI』の、2台の次世代エコカーのコンセプトモデルだ。

和悦混合動力(混合動力はハイブリッドの意)は、4ドアセダンの市販モデル『和悦』をベースにハイブリッド化したもの。エンジンを発電のみに用い、走るための動力はすべて電気モーターから得る、いわゆるシリーズハイブリッドカー。メインモーターは最大出力60kW(約80馬力)、1リットルエンジンに接続された発電機は30kWだ。

オリビン酸リチウムイオン電池の容量は10kWhとかなり大きいが、EV走行時の航続距離は50kmと表示されていたことから、容量の6 - 7割程度を使うよう制御されているものと思われる。「和悦混合動力は同クラスのガソリン車に比べ、燃料消費量を3割削減できる。現在、量産化のためのコスト削減に取り組んでいる段階」と江淮関係者はコメントしている。

もう一台のハイブリッドカー、VISION VIは、事前にトヨタ『iQ』をモディファイしたようなイラスト図が公開されていたが、フタを開けてみると、ショーカーはイラストと大きく異なる外観を持っていた。コンパクトなボディながら、ファミリーユースに使える5ドアハッチバック式。車内を見ることはできなかったが、見た目には大人4人が移動できるだけの最低限の空間を備えているように思われた。

もっとも、こちらのスペックは非公開。このコンパクトなボディに内燃機関、電気モーター、出力制御ユニット、電池パックを実装するのは、江淮の現在の技術力ではおそらく無理であろう。あまりにコンパクトにまとまっているので、最初に見たときはEVと思い込んだほどで、他にもEVと勘違いして質問する記者が何人もいた。あくまでエコカーの理想型を3次元で表現するためのコンセプトカーなのだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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