欧州新車販売、11か月ぶりのマイナス…4月実績

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ACEA(欧州自動車工業会)は17日、4月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は110万4853台。前年同月比は6%減と、11か月ぶりに前年実績を下回った。

これはインセンティブ終了が大きな要因。主要国では、ドイツが前年同月比31.7%減の25万9414台と失速。イタリアも15.7%減の15万9971台と、11か月ぶりに落ち込んだ。3月末でインセンティブが終了した英国は、受注残によって14万8793台を販売。前年同月比は11.5%増と、10か月連続で前年実績をクリアした。フランスも1.9%増の19万0917台と、11か月連続の前年実績超え。スペインは39.3%増の9万3637台となり、8か月連続で前年実績を上回った。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比6.6%減の24万7795台と、3か月ぶりのマイナス。VWブランドは7.1%減の13万7153台、アウディブランドは0.8%減の5万5479台、シュコダブランドは18.4%減の2万9189台、セアトブランドは0.5%減の2万5779台と、主要4ブランドが落ち込んだ。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比3.1%増の15万6394台と11か月連続増。その内訳は、プジョーが11.2%増の8万7895台と引き続き好調だが、シトロエンは5.7%減の6万8499台と、マイナスへ転じた。

3月の4位から3位に上昇したルノーグループ(ダチアを含む)は、11万1259台を販売し、前年同月比は11.3%増。ダチアブランドは13.7%減の1万5888台と落ち込んだが、ルノーブランドが17%増の9万5371台と牽引役を果たす。

3月の3位から4位に後退したのは、フォードグループ(ボルボを含む)。前年同月比11.2%減の10万4355台と、11か月ぶりのマイナスだ。

5位のGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、9万0538台を販売。前年同月比は18.7%減と、2か月ぶりのマイナスへ転じた。

6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、8万5685台を販売。前年同月比は26.6%減と、2か月連続のマイナスだ。ブランド別では、フィアットが28.1%減の6万8352台、ランチアが15.8%減の9107台、アルファロメオが25.1%減の7557台と、そろって不振だった。

7位のBMWグループ(MINIを含む)は、6万1893台を販売し、前年同月比は13.4%増と、6か月連続の前年実績超え。BMWブランドは16.3%増の5万0825台、MINIブランドは1.6%増の1万1068台と、ともに好調だ。

8位はダイムラー(メルセデスベンツとスマート)。その販売台数は5万6213台で、前年同月比は1.7%増と2か月連続のプラスを維持した。ブランド別では、スマートが9%減の7778台と不振だが、メルセデスベンツは3.6%増の4万8435台と売れている。

9位はトヨタグループ(レクサスを含む)で、4万4107台を販売。前年同月比は16.2%減と、3か月連続のマイナスだ。レクサスブランドは7.5%増の1455台だったが、主力のトヨタブランドが16.8%減の4万2652台とリコールの影響で落ち込んだ。

トヨタ以外の日本メーカーでは、日産が前年同月比41.8%増の3万0904台と、引き続き好調。しかし、マツダが5.3%減の1万3644台と2か月ぶりのマイナスとなったほか、スズキが20.2%減の1万4981台、ホンダは29.7%減の1万3327台、三菱は33.3%減の5961台と苦戦している。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが2万5557台を販売し、前年同月比は7.6%増と、15か月連続のプラス。キアも24%増の2万0419台で12か月連続のプラスと、韓国2社は欧州で存在感を増している。

4月の欧州新車セールスは、11か月ぶりのマイナス。インセンティブ頼りの構図が浮き彫りになったといえる。ギリシャの金融危機の影響も懸念材料だ。

《森脇稔》

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