ランドローバーは17日、2011年に発売する小型SUVの『LRX』(仮称)に関して、4WDに加えてFF仕様を設定すると発表した。
ランドローバーは2008年1月のデトロイトモーターショーで、『LRXコンセプト』を初公開。新世代ランドローバーを提案したモデルで、コンパクトな2ドアボディに2.0リットル直列4気筒ディーゼルハイブリッドを搭載。欧州複合モード燃費21.3km/リットル、CO2排出量120g/kmという高い環境性能を実現していた。2011年に発売する新型SUVは、このLRXコンセプトの市販バージョンになる。
ランドローバーは今回、このLRXに4WDとFFの2種類の駆動方式を設定すると公表した。ランドローバーといえば、1948年の市販第1号車から、頑なに4WDを貫いてきたメーカー。それは優れたオフロード性能を追求してきた結果であり、「世界で唯一の4×4専門メーカー」というのが同社の大きな売りである。
ところが、LRXでは2WD、しかもFFを用意。これは、時代が要請する環境性能と密接な関係がある。ランドローバーによると、新型車のFFグレードは同社の60年の歴史において、最も軽量かつ燃費性能に優れたモデルとなり、CO2排出量は130g/km以下になるという。
ライバルのトヨタ『RAV4』やホンダ『CR-V』は、早くからFFグレードを用意し、顧客を取り込んできた。ランドローバーのフィル・ポファム常務は、「FF仕様の投入は、ランドローバーに新しい顧客を呼び込むだろう」と期待を寄せる。
また、ランドローバーは同社初のハイブリッドを2012年に発表し、2013年に市販する計画。インドのタタグループ傘下で、環境への取り組みを強化する姿勢を示している。