フォルクスワーゲンは17日、ドイツで15 - 16日に開催された「第38回ニュルブルクリンク24時間耐久レース」で、『シロッコ』のバイオ天然ガス仕様、『シロッコGT24-CNG』が、代替燃料クラス1 - 3位を占めたと発表した。
フォルクワーゲンは2008年の同レースに、正式発売前のシロッコを投入。最大出力330psを誇る『シロッコGT24』は、排気量2.0リットル以下のターボ搭載車で争うSP3Tクラスで、1 - 2フィニッシュの快挙を成し遂げた。
2009年は、2008年のマシンの発展形として、燃料をバイオ天然ガス仕様としたシロッコGT24-CNGを2台開発。2.0リットル直列4気筒ターボ「TSI」は、最大出力300ps、最大トルク35.7kgmを発生しながら、CO2排出量は2008年マシン比で約25%低減させることに成功した。
駆動方式は市販版と同じFFで、トランスミッションは6速DSG。外観はリアの大型ウイングが特徴だ。そして、このシロッコGT24‐CNGの2台のうち1台が、オルタネイティブパワートレーンクラス(ATクラス)で見事優勝。総合でも17位に入る大健闘を見せた。
2010年のニュルブルク24時間耐久には、シロッコGT24 - CNGを3台エントリー。最大出力は2009年比で30ps引き上げて330psとしながら、CO2排出量はガソリンエンジン比で約80%も低減させた。
さらにドライバーのひとりとして、2010年1月のダカールラリーにおいて、『レーストゥアレグ』を駆り、総合2位でゴールしたカタールのナッサー・アル‐アティーヤ選手を起用した。
そして結果は、ナッサー・アル‐アティーヤ選手など4名の117号車がクラス1位、ジミー・ヨハンソン選手など4名の118号車がクラス2位、ウルリッヒ・ハッケンバーグ選手など4名の116号車がクラス3位と、見事な1 - 2 - 3フィニッシュを飾った。
また総合でも、117号車が16位となったのをはじめ、118号車が52位、116号車が74位と健闘。フォルクスワーゲンによると、118号車が記録した9分4秒710のラップタイムは、2010年のニュルに出走したFF車の中で最速だという。フォルクスワーゲンモータースポーツのクリス・ニッセン氏は、「シロッコは3回挑戦して、3回のクラス優勝。高い信頼性と燃費の良さを証明した」とアピールしている。