[セアト60周年]70年代後期の経営危機
自動車 ビジネス
企業動向

市場における成功の波に乗り、フィアットはセアト株を国営工業機関から買い取りながら、出資比率を36%にまで高めた。
1970年代はフィアット系モデルをさらに拡大しながら、フォーミュラ1430などモータースポーツにも積極的に参戦した。
また、フィアット『850』を基にしながらもオリジナルデザインのセアト『133』も開発・発売した。1974年には欧州第8位のメーカーに躍進し、ランチア『ベータ・クーペ/HPE』の生産も開始する。
しかし、1978年なると、一転して大幅な赤字に転落してしまった。スペイン政府が輸入車に対する規制措置を緩和したのを受けて、外国メーカーが相次いでスペイン国内市場で勢力を伸ばしたのが原因だった。
そうした状況に積極的な打開策を講じないフィアットに、国営工業機関と銀行団は、やがて業を煮やし始める。
■フィアットと分かれVWと組む
《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》