パレードに込められた長久手町発展の願い…クラシックカー・フェスティバル

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公道パレードランの模様
公道パレードランの模様 全 24 枚 拡大写真

クラシックカー・フェスティバルを主催するトヨタ博物館、メイン会場となった愛・地球博記念公園(通称モリコロパーク)は、愛知県名古屋市の東に位置する町、長久手町にある。2005年に愛知万博が開催された町だ。

トヨタ博物館は地域と密接な関係を保つため、さまざまなイベントを行っている。その中でもクラシックカー・フェスティバルは大きな存在。

このフェスティバルを「長久手町のイベント」として発展させるため、2007年から「町内パレード」が実施されている。2010年も長久手町内を走るコースを設定し、87台の参加車両がパレードを行った。

◆恒例となりつつある町内パレード

4回目とあって、パレードは長久手町の人々に浸透。雨にも関わらず、多くの人が傘を手に沿道に出て走り抜けるクラシックカーに手を振り、ドライバーがそれに応えていた。

パレードを迎える人たちの年齢構成は広く、世代を問わずクラシックカー・フェスティバルを楽しんでいることがうかがえた。

特典のついたうちわを配布するなど、主催者側では町民へのメリットを考えた取り組みを開始当時より重ねて、クルマに興味のない町の人にもクラシックカー・フェスティバルの楽しさを知らせることに成功。沿道に集う人の数は年々増えて、町ぐるみのイベントとして着実に発展しているという。

◆ナンバー付き車両を増やす計画

トヨタ博物館では、クラシックカーが動態保存されているものの、日本の公道を走ることのできるナンバー取得車両は少ないという。そのため、パレードの先導者には一般のクルマをあてている。

トヨタ博物館学芸員の山田耕二氏は、今後多くの「ナンバー付きクラシックカー」を増やし、それを先導車として走らせ、より見応えのあるパレードを行いたいと話してくれた。

トヨタ博物館の所有する希少性のあるクラシックカーが、フェスティバル参加車両と共に公道を颯爽と走る様子が見られることを期待したい。

◆より町とのつながりを太くしていきたい

加えて山田さんは「今後も長久手町で行われるイベントとして、より町との結びつきを強めていきたい」と語る。人口約5万人と、現在「日本で最も人口の多い町」となっている長久手町は、市制施行を目指し、さらなる発展を行う予定という。

田園の広がるトヨタ博物館の建つエリアは、今後市街化され、新たな町の中心とする計画が進んでいる。計画が実現すれば中心街にある博物館となり、長久手町とトヨタ博物館の関係は今後ますます深くなっていきそうだ。

「大きくなる長久手町の発展に寄与するイベントとして、これからのクラシックカー・フェスティバルを考えていきたい」と山田さんはコメントする。長久手町とトヨタ博物館、そしてクラシックカー・フェスティバルの今後の展開が、他地域にない「クルマ文化の発信地」へと進化するよう願ってやまない。

《萩野公慈》

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