新日本石油は7日、高過酷度流動接触分解(HS-FCC)技術の普及促進に乗り出すと発表した。
同技術の共同所有者であるサウジアラビアのキングファハド石油鉱物資源大学、サウジアラビア国営石油会社、従来型の流動接触分解(FCC)プロセスのライセンスを持つアクセンス、ショー・ストーン&ウェブスターと協力体制を構築し、高オクタンガソリンなどの効率的な生産の浸透を図る。
HS-FCCは、従来型FCCが重力に逆らう流れなのに対して、重力に逆らわないダウンフローを採用することで反応時間を均一化し、プロピレンや高オクタンガソリンなどを高収率で生産する技術。今回、この技術に従来型FCCに使っている触媒循環・再生技術等を組み合わせることで、最適なHS-FCCプロセスを構築すると同時に、その普及を促進する。
新日本石油の精製部門である新日本石油精製は、水島製油所(岡山県倉敷市)に経済産業省の公募事業として日量3000バレルのHS-FCCプロセス実証化研究装置を建設中で、2011年5月から研究運転を行う予定で、HS-FCCプロセスの実用化を目指す。
今後、実証化装置による実用化と、普及促進体制を整備することで、商業化装置を運転、HS-FCCプロセスの普及を促進していく。