トピー工業は14日、約30億円を投じて電炉製鋼で使用する酸素プラントの生産能力を約85%増強すると発表した。新しいプラントは2012年8月から稼働する予定。
豊橋製造所製鋼工場(愛知県豊橋市)にある酸素工場だけでは、酸素供給不足が発生しており、老朽化もあり、更新する必要があると判断した。
今回、酸素工場深冷分離プラントの生産能力を増強することで、外部から購入していた酸素を含め全量を自社酸素工場から調達する。また、増加している高張力鋼や建設機械向け鋼材などの高級鋼は、製鋼の際、窒素含有量を低減させる必要がある。新プラントで生産される酸素は、窒素をほとんど含まないことから窒素含有量の低減にも効果があるほか、酸素と同時に製鋼で必要なアルゴンガスも高効率で生産することができる。
生産能力の増強に伴って新たに高圧ガス特定製造事業所の許可を取得し、余剰酸素、アルゴンガス、生成された窒素ガスの余剰分は外部にも販売する予定。
同社では新酸素プラントの稼働により、粗鋼生産の安定化やコストの低減、品質の向上を図る。