欧州新車販売8.8%減、主要8社がマイナス…5月実績

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ACEA(欧州自動車工業会)は15日、5月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は109万7882台。前年同月比は8.8%減と、2か月連続で前年実績を下回った。

販売不振の要因は、インセンティブの打ち切りにある。主要国では、ドイツが前年同月比35.1%減の24万9708台と大幅減。イタリアは13.8%減の16万3700台と、2か月連続のマイナス。フランスも11.5%減の18万6268台と、12か月ぶりに前年実績を割り込んだ。

その一方、3月末でインセンティブが終了した英国は、受注残によって15万3095台を販売し、前年同月比は13.5%増と、11か月連続の前年実績超え。スペインは44.6%増の10万2873台となり、9か月連続で前年実績を上回った。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比8.5%減の23万8817台と、2か月連続のマイナス。VWブランドは12%減の12万9334台、シュコダブランドは11.4%減の2万9144台、セアトブランドは6.8%減の2万5967台と、主要3ブランドが落ち込んだ。唯一、アウディブランドは2.3%増の5万4212台と健闘する。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比5.1%減の15万4592台と12か月ぶりに減少。その内訳は、プジョーが5.8%減の8万3224台、シトロエンが4.2%減の7万1368台と、ともにマイナスだ。

3位のルノーグループ(ダチアを含む)は、11万0955台を販売し、前年同月比は8.2%増。ダチアブランドは1.8%減の1万9599台と落ち込んだが、ルノーブランドが10.6%増の9万1356台と引き続き好調だ。

4位はフォードグループ(ボルボを含む)。その販売台数は10万3643台で、前年同月比は12.4%減と、2か月連続のマイナスだ。

5位のGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、9万0611台を販売。前年同月比は19.4%減と、2か月連続のマイナスとなった。

6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、8万6813台を販売。前年同月比は22.1%減と、3か月連続のマイナスだ。ブランド別では、フィアットが22.3%減の6万9428台、ランチアが17.3%減の8889台、アルファロメオが26.4%減の7912台と、そろって不振だ。

7位のBMWグループ(MINIを含む)は、6万2753台を販売し、前年同月比は2.3%減と、7か月ぶりのマイナス。BMWブランドは0.8%減の5万1794台、MINIブランドは8.6%減の1万0959台と、ともに落ち込んだ。

8位はダイムラー(メルセデスベンツとスマート)。その販売台数は5万9166台で、前年同月比は4.2%減と3か月ぶりの前年割れ。ブランド別では、スマートが17.7%減の7791台、メルセデスベンツが1.8%減の5万1375台にとどまる。

9位はトヨタグループ(レクサスを含む)で、4万3099台を販売。前年同月比は21.9%減と、4か月連続のマイナスだ。レクサスブランドは25.1%増の1399台と好調だったが、主力のトヨタブランドが22.9%減の4万1700台と足を引っ張った。

トヨタ以外の日本メーカーでは、日産が前年同月比16.6%増の2万9291台と、引き続き好調。マツダも6.3%増の1万4372台と3か月ぶりのプラスに転じた。しかし、スズキは30.2%減の1万3595台、ホンダは24.3%減の1万3901台、三菱は26.7%減の5538台と苦戦している。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが2万5788台を販売し、前年同月比は2.9%減と16か月ぶりに減少。キアは10.8%増の1万9057台で13か月連続のプラスと、明暗が分かれた。

5月の欧州新車セールスは、主要9メーカーではルノーを除いて前年割れ。今年1~5月累計販売は、前年同期比3.5%増の580万4666台とプラスを維持しているものの、インセンティブ終了の影響が、徐々に現れている。

《森脇稔》

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