【日産 リーフ プロトタイプ 試乗】劇的な変化をもたらすフツウのクルマ…西川淳

試乗記 国産車
リーフ プロトタイプ
リーフ プロトタイプ 全 5 枚 拡大写真

クルマとしての完成度についてアレコレ言うことは、日産にかえって失礼だと思う。だからここではハッキリ、こう申し上げたい。フツウのクルマだった、と。

【画像全5枚】

確かに、低重心がもたらすフラットで胸の空くコーナリングはこのテのカタチのクルマとして異例かもしれないが、騒ぐほどのもんじゃない。むしろ、タイヤの性能の方が気になってしまう。ニッチじゃないEVを広めるためにCセグの『リーフ』を作ったのだ。フツウでよし。

自動車メーカーが作った、EV専用開発の車台を持つクルマなのだから、完成度は高くて当り前である(餅は餅屋ということ)。そして、フツウのクルマとしてみた場合に、ボクはそこにいささかの趣味性も見いだせなかったし、全く好きになれないカタチと相まって、Cセグメントを今買うなら堅実にVW『ゴルフ』を選んでしまうだろう。もしくは新しいアルファ『ジュリエッタ』(しっかり楽しい、いいクルマ。イタリアが作ったゴルフでした)。EV買おうにも、持ち家じゃないしね。

そんなことよりも、大量生産EVが社会にもたらす変化と可能性の方にこそ注目したい。ここでは書き切れないけれど、ひとつだけ言っておきたいのは、プラグイン機能をもつEVもしくはPHVによって事実上、クルマは社会と初めて緊密に繋がるということ(そのこと自体が引き起こす自由やプライバシーの束縛はまた別問題として)。携帯電話やパソコン、高機能ビデオデッキのように。

それによって、われわれの生活も劇的に変わる可能性を秘めている。アイデア次第である。また、出し入れ可能なエネルギーをもつ物体が、街に溢れるという点でも面白いことになりそうだ。日本のエネルギー政策上、極めて有効になることは間違いない。心配なのは、インフラなどではなく(そんなもんは後から付いてくるって)、日本における電池技術そのものの行末と、レアメタル&レアアースといったまたもや資源問題ではあるけれども、それもまた数多の研究室が素晴らしい答を出してくれそうな気配。原子力発電とともに、あとはどう政治が強力にバックアップできるかにかかっている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『NX』改良でデザイン刷新! 新世代ハイブリッド搭載で走行性能もアップ 2026年末以降発売
  2. トヨタ『プリウス』の車名が消える? “ハイブリッドの象徴”が迎えた転換期
  3. ブラバス創業者の名を付した『BODO』に「カブリオレ」、1000馬力V12ツインターボ搭載…最高速360km/h
  4. ポルシェ『マカン』新型、新「アドバンスドパッケージ」欧州設定…最大45%割安で人気オプションをセット
  5. マツダ『CX-3』存続が確定! 12年ぶり刷新へ、2027年登場の次期型デザインを大予想
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  3. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  4. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  5. BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]
ランキングをもっと見る