ゴードンマレーの新型シティカー、駐車スペースは3分の1

自動車 ニューモデル 新型車
T.25
T.25 全 4 枚 拡大写真

デザイナーのゴードン・マレー氏が率いる「ゴードンマレーデザイン」社は28日、英国で新型シティカーの『T.25』を初公開した。

ゴードン・マレー氏は、1992年に発表されたマクラーレン『F1』のデザインを担当したのが有名。同車は、F1のマクラーレンレーシングと同じグループ会社、英国のマクラーレンオートモーティブ社が、F1参戦から得たノウハウを投入して開発したスーパーカーだ。

マクラーレンF1は、BMW製6.1リットルV12(627ps)をミッドシップに搭載。カーボンやアルミをふんだんに使用したボディは、わずか1140kgという軽さで、最高速は391km/hと、まさに「ロードゴーイングF1」と呼ぶにふさわしい性能を誇った。

マクラーレンF1は、当時の価格が日本円で1億円というのも大きな話題になったが、フロント1、リア2という独自のシートレイアウトも前衛的と評価されている。

そんなゴードン・マレー氏は2009年9月、低価格シティコミューターの市販プランを公表。T.25と呼ばれるのがそのモデルで、今回、実車が初公開された。

T.25は、非常にコンパクトな車体が特徴。ボディサイズは、全長2400×全幅1300mm×全高1600mm。スマート『フォーツー』(全長2720×全幅1560mm×全高1540mm)との比較では、T.25は320mmも短く、260mmもスリムだ。

最小回転半径は、クラストップレベルの3mと取り回し性は優秀。乗降はドアではなく、カウルのようにボディ前半部を上方に開いて行う。こうすることで、1台分の駐車スペースに3台が停められるという。

スマートフォーツーが2シーターなのに対して、T.25では、3名乗車を可能にしている点も注目できる。それを実現するのが、「iセンター」と名づけられたシート配置だ。これはゴードン・マレー氏が学生時代の1966年に考案したもので、マクラーレンF1と同じく、中央にドライバーが座るスタイル。乗員はドライバーの後方左右に1名ずつが着座する。

iセンターは6通りのシートアレンジが可能。(1)大人3名、(2)大人2名+子ども1名、(3)大人1名+子ども2名、(4)大人2名、(5)大人1 名+子ども1名、(6)大人1名、に対応。各アレンジに要する時間は、30秒以内だという。

オールアルミ製エンジンは、660ccの直列3気筒ガソリン。最大出力51ps/7000rpm、最大トルク5.8kgm/4000rpmを発生する。トランスミッションは5速シーケンシャルだ。

T.25は、チューブラースチール製シャシーに、プラスチック製ボディパネルを組み合わせ、575kgの車重を実現。これにより、0-100km/h加速16.2秒、最高速156km/hの動力性能と、欧州複合モード燃費26.2km/リットル、CO2排出量86g/kmという環境性能を両立する。

T.25は2012年に市販予定。同じボディにEVパワートレインを積んだ『T.27』も開発中だ。ゴードン・マレー氏は、「本日、みなさんの前でT.25を初公開できて大変うれしい」とコメントしている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  4. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る