【カーナビガイド ‘10】「WNDはドライブ向けサービスの集大成」…カーナビタイム 開発者

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開発本部企画部の篠原雄大氏
開発本部企画部の篠原雄大氏 全 12 枚 拡大写真

ナビタイムジャパンが5月に発表した、WND(Wireless Navigation Device)「カーナビタイム WND-01K」。本体にKDDIのモジュールを内蔵し、通信前提のサービスを展開するというカーナビタイムは、これまでの通信カーナビとはどのように異なる世界を目指しているのか。 WNDプロジェクトを主導した開発本部サービス企画統括部企画部の篠原雄大氏に話を聞いた。

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◆「いつでもどこでもナビタイムを利用していただきたい」

----:まず、ナビタイムジャパンがWNDとして車載専用端末を発表した経緯について、お聞かせください。

篠原:これまで、当社は“トータルナビ”というドアtoドアのナビゲーションを中核にした「NAVITIME(ナビタイム)」というサービスをケータイ、スマートフォ ン、パソコンなど向けに提供させていただいてきました。また、自動車用のナビゲーションとしては「ドライブサポーター」を提供していましたが、これはあくまでも同乗者向けのサービスです。したがって、ドライバー向けにサービスを提供できていない状況でした。そこで、ドライバーの方もいつでもどこでも利用していただけるようなサービスを提供するために、今回のカーナビタイムプロジェクトを立ち上げたというわけです。

----:カーナビタイムの立ち上げは、ユーザーからの要望もあったのでしょうか。

篠原:ユーザーからの要望というよりも、当社としてナビゲーションサービスを提供していくうえで、どこでも利用できる環境を作る必要性を重視した点が大きいですね。サービスをデザインする上で、ドライバー向けナビデバイスの存在は重要、ということになってきたのです。

----:auと協業しているサービスも含めてナビタイムのサービス利用者数は非常に多いですからね。

篠原:ドライブサポーターとEZ助手期ナビで現在130万人のユーザーがいますが、ナビ以外のサービスを含めてもこれだけの規模を持っているところはあまりいないと思います。

◆検索UIを車載用に最適化

----:マーケティング的に携帯電話向けのドライブサポーターとの競合は懸念しませんでしたか。

篠原:当社としては、カーナビタイムを購入された方がドライブサポーターを解約されても、とくに問題はありません。結果的にナビタイムのサービスを利用していただければ良いと考えています。自動車ではカーナビタイム、出先ではケータイ版のナビタイムと使い分けていただければ嬉しいです。ですのでカーナビタイムを持ち歩いて徒歩用にも使用するといった利用は想定していません。

----:ドライブサポーターの話がでたのでお聞きしますが、カーナビタイムとドライブサポーターで機能面での違いはありますか。

篠原:どちらも通信を使っているサービスですので渋滞情報や最新の地図が利用できるといった点についてはドライブサポーターとカーナビタイムで大きな違いはありません。しかし、カーナビタイムは車載端末として、ジャイロ・加速度センサーを搭載し精度の高いナビゲーションを実現、通信圏外でも利用可能、ケータイよりも大きな画面でのナビゲーション、などの利点があります。その他、クチコミも見られるグルメ検索や、駐車場やガソリンスタンドの検索UIはクルマでの利用シーンを想定したものに作り変えています。

◆PC/ケータイとの連携機能で使い勝手を追求

----:カーナビタイムとケータイおよびPCとの連携機能も特徴として挙げられていますが、どのような活用法があるのでしょう。

篠原:「NAVITIME ID」または「au one-ID」を使ってログインすることで、ケータイやPCで登録したMy地点情報や目的地の検索履歴などを共有することができます。また、ルート転送機能もありまして、パソコンで事前に検索したルートを転送しておくと、カーナビタイムの電源を入れた時に、案内が出て転送されたルートがすぐに表示されます。

----:210円ないし315円のナビタイム会員にならないと連携機能は使えないのでしょうか。

篠原:登録地点の共有は非会員でも可能ですが、ケータイ側から出発地・目的地を設定してルートを探索するのは会員のみが可能です。PCについては、クルマのルート検索は誰でもできるように無料で開放しています。

◆月額525円で、地図を更新

----:地図についてはすべて内蔵のメモリストレージに置いているのでしょうか。

篠原:はい。本体にインストールされている地図とサーバ側を参照して、更新されているところがあれば、自動的に書き換えられます。更新は基本年3回で、ケータイやPCのナビタイムとほぼ同じタイミングで新しくなります。通信ありきのカーナビですので、地図を自動的に更新するのは、当初から対応しようというスタンスで取り組みました。

また、発売時点にカーナビタイムで自動更新されるのは、表示される、いわゆる見える地図です。新規開通道路など最新の道路情報でのルート検索は2011年初旬に予定しているアプリケーションのバージョンアップで対応します。アプリケーションのバージョンアップはケータイアプリのバージョンアップと同じような感覚で通信で手軽にできるのも特徴です。

----:月額525円だから地図更新が年3回に絞られているというわけではないのですね。月額費用を支払い続けている限りは地図更新の恩恵を受けられるのでしょうか。

篠原:その予定です。また、地図以外のスポット情報については、毎週のように更新されています。グルメのクチコミが追加されればケータイサービスと同じタイミングで提供されます。

----:カーナビタイムでは通信にKDDI(au)の回線を利用していますが、これはEZナビウォークやEZ助手席ナビのようなauとの協業の延長なのでしょうか。

篠原:カーナビタイムについては、サービスの提供はあくまでも当社、ナビタイムジャパンがおこなっています。もちろん、KDDIさんとも相談しながらサービスの拡充を図っていきます。

----:カーナビタイムの販路は、auショップとauおよびナビタイムのウェブサイト上での通信販売となるそうですが、販売の主力は実店舗であるauショップになりますか?

篠原:どのチャンネルでどれだけの引き合いがあるのかは、正直わかりません。auさんとは販促面でも協業させていただきますので、私どもとしてもプロモーションに務めたいと思います。もちろん、家電量販店を含む他の小売りチャンネルも展開を図るよう、検討しているところです。

◆長く使っていただくための料金設定

----:ナビタイムでの予約販売価格は本体4万3800円とのことですが、この本体価格は値段ありきという設定でしょうか、それともハードウェアやサービスを勘案した結果、この値段に落ち着いたのでしょうか。

篠原:もちろん、国産の家電メーカー品を中心とするハイエンドPNDの価格帯を意識はしています。大体6万円前後の価格設定をされているものが主流ですが、カーナビタイムは 通信料金もプラスオンされることを加味すれば、4万円前半が適正プライスだ、という狙いです。6万円台のPNDは激戦区ですが、月額525円という僅かなランニングコストをお支払いいただくだけで、地図が更新できて、オンデマンドVICSを利用できます。常に情報が新鮮なので、2年過ぎても違和感なく使えるでしょう。是非とも長く使っていただきたいと思います。

----:5月に実施された記者発表会では、カーナビタイムの廉価版や機能充実版といったラインナップを拡充していくという予定はないとのことですが。

篠原:カーナビタイムの強みは、アプリをバージョンアップできるという点です。使っていくうちに進化していくようなものにしていきたい、と考えています。ハード的には、ケータイやスマートフォンに比べて陳腐化は遅いですし、単一のプラットフォームならアップデートすることで長く使っていただけると思います。発表会では自転車やバイクといった用途別のバージョンの可能性も触れましたが、どのタイミングで登場させるかはまだ考えていません。

----:改めて通信料金の話に戻りますが、525円(2年契約時、2年契約をしない場合は月額1050円)という月額料金を聞いて、よくぞここまで安く提供したなというのが率直な印象でした。KDDIとはかなり交渉を重ねたのではないですか。

篠原:カーナビタイムで通信を利用するにあたって、既存のパケット料金体系ではキャリアもユーザーも難しいということはお互い認識していました。トラフィックはどのようにかかるのか、通信容量はどれくらい必要なのか、お互いに検討しながらKDDIさんにはこのサービスの価値を見いだしていただいてアライアンス型サービス「Link→au」の第一号として認めていただきました。

◆カーナビタイムはドライブ向けサービスの集大成

----:音声端末の契約が頭打ちになっている今、M2M(Machine to Machine)市場を開拓していくというキャリアの取り組みと合致した部分もあるのでしょうね。ところで、すでに auの回線を持っている人は、請求をカーナビタイムと他のau回線とをまとめることができるのでしょうか。

篠原:他にau回線を持っていても、カーナビタイム用の通信料金の決済は別になります。現状の所ではこのauの「WNDプラン」通信契約はクレジットカード決済のみの対応です。ま た、カーナビタイムの通信回線を開通させる作業は、原則としてお客様ご自身でおこなっていただきます。もっとも、とても簡単な作業ですので困ることはないと思います。

----:カーナビタイムではプローブに対応しています。

篠原:ケータイ向けのドライブサポーターでは既に始めていますが、車載専用機ということで、よりデータが集まるのではと期待しています。普及が進んで、位置情報が集まれば、行動分析的な面で研究ができるようになり、より安全でスムーズなルート案内が可能になると思います。

----:ケータイ向けナビタイムを見ていると機能追加やバージョンアップが頻繁におこなわれ、進化のスピードを実感しました。このスピードでカーナビタイムも進化していくと思うと、期待も大きくなります。

篠原:カーナビタイムは当社のドライブ向けサービスの集大成と位置づけているプロジェクトですので、ぜひ期待していただければと思います。本格的な通信カーナビのマーケットを当社が先導して切り開いて行きたいと思います。

《聞き手 三浦和也》

《まとめ・構成 北島友和》

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