【ケータイナビガイド '10】オプションで本格ナビへパワーアップ…iPhone向け 全力案内!ナビ 評論家インプレ後編

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交差点の拡大図が表示されたところ。PNDなどのナビ専用機に近い操作感となる。
交差点の拡大図が表示されたところ。PNDなどのナビ専用機に近い操作感となる。 全 6 枚 拡大写真

次に、アプリオプションとして提供される新機能をいくつか紹介しよう。オプションは本アプリの機能を増強するもので、パソコンソフトでいえばプラグインのようなものだ。

まず最初に紹介する「アドバンスドオプション」は、交差点拡大表示、経由地の設定、シミュレーション速度変更が可能になる。価格は600円(年額)だ。

早速試してみると、インストールすることで設定画面に「交差点拡大図の表示」といった項目が新設され、たしかに機能が増えていることがわかる。ただ、実際にナビをさせてみると、一向に拡大図が表示されない。これには焦ったが、いろいろ試してみると横画面でないと拡大図は表示されないようだ。

本アプリは横画面にすると一般道でもハイウェイモードのような案内図が表示される。アドバンストオプションを追加すると大きな交差点の手前で案内図が消え、地図と拡大図の2画面表示に切り替わる。どうやら本アプリは横画面で使うことを前提にしているらしい。

経由地の設定はPNDなどで一般的な経由地の設定機能と特に変わりはない。ただ操作性は大変によく、複数設定した経由地を指先でスライドするだけで順番を入れ替えられる。こういった操作性のよさはiPhoneならではだ。

シミュレーションの速度変更は、シミュレーションのスタートボタンを2〜3回タップすると速度が速くなるというもの。どの機能もあれば非常に便利だが、無くても致命的ではない。こういった機能をオプションにしたことでアプリ本体の低価格を実現できたのならば、この販売方法は正解といえるだろう。

◆リアルプローブ交通情報オプションで渋滞表示

二つめのオプションであるリアルプローブ交通情報オプションは、渋滞情報を取得するためのものだ。価格は900円(年額)。そもそも全力案内!は、携帯ナビにおいて、独自の渋滞情報を提供して話題を集めた。独自に渋滞情報を収集するには大規模なシステムが必要で、ナビ業界全体でもパイオニアやホンダ、クラリオンなど一部の自動車メーカー/カーナビメーカーしか手をつけていない。それを携帯ナビで断行したのだから画期的だった。

全力案内!の渋滞情報はUTIS交通情報として提供されているもので、契約したタクシーを独自のプローブとして利用し、渋滞データを収集。過去の渋滞の統計データも加味して精度の高い渋滞情報としている。そのためVICSと比較して細い裏道の渋滞情報も豊富で、対象道路はVICSの数倍にもなるほどだ。また、精度の高さを生かし、渋滞情報だけでなく、スムーズに走行できる道路を知らせる「すき道」情報も提供している。

リアルプローブ交通情報オプションをインストールすると地図上に渋滞は赤、またはオレンジの点線で、すき道は青い点線で表示される。VISCとは比較にならないほど多くの道路について、渋滞、すき道が表示される様子は圧巻だ。もちろん、すき道を表示しないなどのオプション設定も可能。

また、このオプションには走行軌跡に関する機能も盛り込まれており、軌跡の記録、参照、KMZファイルの出力ができる。KMZファイルはメールに添付してパソコンなどに転送できるようになっており、Googleアースに走行軌跡を重ねて表示するといったことが可能だ。

渋滞情報の有効性についても実際に試してみたが、情報量の多さは相当なものだ。かなり細い裏道でも情報が表示される。渋滞については厳密に比較したわけではないが、VICSよりも精度が高い印象だった。

ただ、現在のところ対応地域が東京、大阪、愛知など11都道府県に限られている。また、地図の縮尺によっては渋滞を示す矢印が見にくいことがあった。欲をいえば、VICSの簡易図形表示のような機能が欲しいところだ。

なお、取材時点では発売前のためテストしていないが、渋滞情報を提供するオプションとしてVICS交通情報オプションが7月13日にリリースされた。リアルプローブ交通情報オプションの対応地域外の人はこちらを購入したほうがいいだろう。

【アプリ概要】
●プラットフォーム:iPhone
●入手方法:App Store > ナビゲーション > 全力案内!ナビ
●アプリ種類
・全力案内!ナビ(本体)Ver.2.1…900円
 フリーナビ(徒歩/車)、車ナビ、徒歩ナビ、地図検索など
・アドバンストオプション…600円(6月29日より提供開始)
・リアルプローブ交通情報オプション…900円(7月6日より提供開始)
 プローブ機能、GPSログ

全力案内!ナビ

《山田正昭》

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