[写真蔵]60年前のEVが走った!

エコカー EV
1947年に製造された「たま電気自動車」
1947年に製造された「たま電気自動車」 全 22 枚 拡大写真
日産自動車が21日に埼玉県さいたま市の「さいたまスタジアム2002」で開催したEV試乗イベントの中で、1947年に製造された『たま電気自動車』の試乗走行が行われた。「たま」が音も無く走り出すとイベント参加者からは感嘆の声があがった。試乗イベントの様子を写真でお届けする。

「たま」は、まだガソリンの供給が十分ではなかった第二次世界大戦直後の1947年に立川飛行機が製造した電気自動車(EV)で、会社の所在地から「たま」と名付けられた。同型車は10台程度が実際に生産・販売されたが、現存するのは今回展示された1台のみ。市場に出た個体の不具合等を再現・チェックするためのサンプルとして保管されていた製造第1号車を、日産の技術者達が再生し、走行まで可能とした。

再生するにあたっては、設計図を新たに書き起した上で、あえて製造当時そのままの部品や素材を使うことにこだわったのだという。内装や各部の固定に使われていたマイナスネジは現在入手が困難のため、「たま」再生のためだけにわざわざ業者に造らせたというこだわりぶりだ。こうした取組みにより2010年7月、日本機械学会が選定する機械遺産に認定された。

「たま」は40Vの鉛電池を搭載し、一充電の航続距離は当時でも65kmを実現したという。数年後さらに改良された「たまセニア」では箱根駅伝のコースを往復できる200kmの航続を実現していたというから驚きだ。

価格は35万円で販売されたが、流通台数の少なさからプレミアが付き45万円程度まで跳ね上がったそうだ。当時教員の初任給が2000円。「たま」を現在の価格に換算するとなんと900万円、『GT-R』並の高級車だったのだ。

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【DS N°8 新型試乗】ハンドリングはもはや「賢者」、フランス車の味わいを濃縮した極上の一台…南陽一浩
  2. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  3. アストンマーティンのベビーカー、「ハイパフォーマンスな子育てを」…eggとコラボ
  4. 公道走行不可、メルセデスAMG最強「GT2エディションW16」発表…F1技術搭載で830馬力
  5. 「めっちゃカッコよくない?」無限仕様の新型『プレリュード』が話題に、SNSではホイールにも「たまらない」の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る