【インディジャパン300インタビュー】佐藤琢磨…最後までポジションを争うレースを

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佐藤琢磨選手
佐藤琢磨選手 全 9 枚 拡大写真

今年もまた究極のアメリカン・モータースポーツ、インディカーがニッポンにやってくる!! 「インディジャパン300マイル」は9月17日からスタート、19日に決勝レースが開催される。母国戦を前に、3人の日本人ドライバー、佐藤琢磨選手、武藤英紀選手、そして直前に緊急スポット参戦が決まったロジャー安川選手に独占インタビューを実施した。

今回は、F1からの転身を果たし今シーズンよりインディに参戦する佐藤選手に、もてぎに向けての意気込み、インディの楽しみ方、日本のファンへのメッセージ等々、今の想いを、自らの言葉で語ってもらった。

◆F1からの転身、インディ1年目の手応え

今年のシーズンを振り返ってみると、まず一番にあるのはレースに戻れたことが本当に嬉しいということ。コックピットに戻った瞬間は、本当にエキサイティングだったし、久しぶりのレースも楽しみにしていました。でも準備が始まったのは2月で、テスト一回で新しいシリーズに参戦というのは圧倒的な準備不足でもありました。

基本的にインディカーはこれまで自分がのってきたクルマと姿かたちは似てるのだけど、レース進行含めて勝手が全く違う。スタンディングスタートではなくローリングスタートだったり、タイヤウォーマーが使えなかったり。沢山のことを新たに勉強しなければならず、またそれらをすべてレースで経験しなければならなかったのは、かなりタフでしたし、僕自身は楽しんでやれるところもあったし、追いつくのに精一杯なところもありました。

シーズン最初はロードコース、市街地サーキット戦でしたが、レース前に走ったことがあったのは第3戦のバーバー・モータースポーツパーク(アラバマ州バーミンガム)だけ。唯一事前テストを1回行ったところでのレースで、ようやく手応えをつかめた感じでした。

そして、そこからシーズンはオーバル戦に突入。オーバルコースでの走行は初めての体験だし、ロード、市街地と比べても、とにかくすべてが違う。でもレースは初戦のカンザスから楽しむことができたし、毎回吸収するものがありました。オーバルといってもコース毎に性格が違うことに驚いたり、最初のオーバル4戦は本当に楽しかったです。残念ながらまだ結果には残せてはいないけれど、毎回毎戦大事な挑戦をして、失敗があったりトラブルがあった中から、しっかりと前に繋がるレースが出来ているという感触があります。

◆インディの魅力はファンや他チームとの交流

驚いたといえば、シリーズのオープンな雰囲気にも驚きました。スペックカーのレースなので(エンジンは全チーム、全マシンがホンダ製。シャシー、タイヤも同一メーカー製を採用する)、秘密にしなければならない部分も少なく、チームの間にパーティションはないし、隣のチームと声を掛けあうような環境は、今まで経験したことがないものです。

ファンに対しても開放的で、パドックでドライバーやマシンに触れる機会があるのは、いかにもアメリカンレースらしい所であり、楽しいところです。

◆「ベストレースにしたい」日本戦にむけての意気込み

ツインリングもてぎは、ここまでシリーズで走ってきたアメリカのオーバルとははっきりとした違いがあります。オーバルの形状がユニークで、唯一ダウンシフトが要求される難易度の高いコースでもあり、また攻略しがいのあるコースなのです。

今までと違う面も出てくるかもしれないし、同じ面が出てくるかもしれない。こればかりは走ってみないと何とも言えないけれど、少しでも前を目指して走ります。今シーズンの集大成的な意味も含め、自分のベストレースにしたいと思っています。

◆日本のファンへメッセージ

インディカーのレースとしては初めてですが、毎年ホンダ・サンクスデーでデモランを走って来た僕にとって馴染深いサーキット。そして、なによりも久しぶりの日本でのレースです。鈴鹿の日本GPでは沢山の応援を貰いました。また皆さんの前で走れることがすごくうれしいです。

またF1よりも皆さんと会える機会も多く、事前のプロモーションも沢山予定されているので、インディカーの魅力を少しでも伝えられると良いなと思っています。みんなで盛り上がりたいですね。

インディジャパンは日本で開催される唯一のオーバル戦です。オーバル戦はコース上の追い越しもとても多いし、フルコースコーションやピットストップなど、最後までどうなるか分からない要素が沢山あります。またロードコースと違い、スタンドから全てが見渡せるのでスピード感や、順位の入れ替わるシーン、サイド・バイ・サイドのシーンなどを体感して、楽しんでほしいと思います。もちろん、僕自身も最終スティントで良いポジションで競うレース運びを目指しますよ!!

前売チケットのオンライン販売受付は9月12日・24時00分まで。ツインリンクもてぎのオンラインショップ「モビリティ・ステーション」で購入可能。

■インディジャパン300マイル ホームページURL
http://www.twinring.jp/indyjapan/

《ケニー中嶋》

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