1年に渡って逃走の男に実刑判決

自動車 社会 社会

昨年7月に岩手県奥州市内で同乗者を死亡させる事故を起こし、この同乗者に罪を被せたまま1年に渡って逃走したとして、自動車運転過失致死罪に問われている21歳の男に対する判決公判が9日、盛岡地裁で開かれた。裁判所は実刑を命じている。

起訴状によると、問題の事故は2009年7月5日未明に発生した。奥州市胆沢区小山菅谷地付近の市道を走行していた軽乗用車が路外に逸脱。道路左側に設置されていたコンクリート製の貯水槽に衝突した。

クルマは大破し、乗っていた22歳の女性が死亡。軽傷を負っていた被告の男は「自分が助手席に乗っていた」と主張していたが、クルマは助手席側の損傷がひどく、仮に男が助手席に同乗していた場合には自力脱出が不可能に近いことが判明。警察は「実際には男が運転していた」と断定したが、男は聴取前に失踪した。

このため、警察が指名手配して行方を探していたところ、今年6月に大阪で発見。自動車運転過失致死容疑で逮捕。後に検察が同罪で起訴していた。その後の調べで飲酒運転の発覚を恐れて虚偽の申告を行っていたことが判明している。

9日に開かれた判決公判で、盛岡地裁の横山浩典裁判官は「被告は多量の酒を飲んでいたにもかかわらずクルマを運転し、結果として同乗者の命を失わせる重大な事故を起こした」と指摘した。

その上で裁判官は「飲酒運転の発覚を恐れて虚偽の申告を行い、それが発覚すると今度は逮捕を恐れて逃亡した。被告に反省している様子を感じることはできない」として、被告に対して懲役2年6か月の実刑を命じている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 大成建設、高速走行中の給電に成功、EV向け「無線給電道路」の実証実験で[新聞ウォッチ]
  2. スバル初の小型クロスオーバーEV『アンチャーテッド』正式発表、2026年発売へ
  3. 車内すっきり! ワンタッチでCarPlayがワイヤレスに、「OTTOCAST MINI」発売
  4. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  5. トヨタ『クラウンスポーツ』520万円の入門モデルを7月30日発売、70周年記念車も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
ランキングをもっと見る