【池原照雄の単眼複眼】プラグインHVって? ネーミングに再考の余地

エコカー EV
プリウスPHV
プリウスPHV 全 6 枚 拡大写真

プリウスPHVへの誤解

今年末に日産自動車の電気自動車(EV)『リーフ』が登場することで、先行するハイブリッド車(HV)やクリーンディーゼル車などとともに、ユーザーの次世代環境車への関心が一段と高まることになろう。次世代車には本命と目されるプラグインHV(PHV)も控えている。だが、このPHVはトヨタ自動車の試験販売が始まっているものの一般の認知度はまだ低く、呼び名には再考の余地がありそうだ。

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「『プリウス』のプラグインハイブリッドを街で見かけました。あのプリウスはエンジンを積んでないんですよね」。最近、30代の友人からこんなことを言われ、愕然とした。この友人は時々、レンタカーのプリウスを乗るくらいだから、HVとPHVの違いくらいは分かっているだろうと思っていたが、そうではなかった。

聞いてみると、「プラグイン」というネーミングが混乱させていることが分かった。充電式なのでエンジンは不要なのでしょうというわけだ。メカに余り関心がないと言えばそれまでだが、PHVに対する一般の人々の認識はその程度なのかも知れない。

◆GMはPHVを一貫して「EV」と呼ぶ

HVが世界でもっとも普及している日本でもこれが実情だから、世界でPHVを浸透させるのはもっと厳しくなる。間もなく米国ではPHVなのにEVと名乗る次世代車も市場に登場するので、混乱は避けられそうもない。

このクルマはGM(ゼネラルモーターズ)が同社の次世代車の象徴と位置づけているシボレー『ボルト』だ。三菱自動車のEV『i-MiEV』と同じ容量である16kWhのリチウムイオン電池を搭載し、走行はモーターの動力のみで行う。ただし、1.4リットルのガソリンエンジンも積んでおり、バッテリーの容量が少なくなるとエンジンを回して発電し、電気をチャージする。

HVの先駆者トヨタの分類によるとGMのボルトは、エンジンを発電のみに使う「シリーズ式」のHVであり、さらに外部電源からの充電もできる(=プラグイン)ことからPHVということになる。だが、GMはボルトを「レンジエクステンダーEV」という形容詞句付きながら、一貫して「EV」と呼んできた。

◆電池切れの心配のないEV

意訳すれば「走行距離を伸ばすことのできるEV」という表現である。ボルトは、フル充電時からは60km余りをエンジンの起動なしで走れるし、ガソリンを満タンにしてエンジンを使いながらだと480km程度の航続が可能だ。マスメディアもGMに倣ってボルトをEVと表現している。

トヨタとホンダは2012年からPHVを国内外で本格投入するが、ボルトと同じカテゴリーのクルマをPHVという呼び名で売り出して、果たしてユーザーに浸透させることができるだろうか。

トヨタの内山田竹志副社長はプリウスのPHVを「電池切れの心配のないEV」と表現する。PHVの特性を言い当てており、これを簡明に表現すれば、新たなネーミングもできそうだ。思い切って「ハイブリッドEV」などとするのも一案ではないか。

《池原照雄》

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