【CEATEC 10】スパコン「京」---事業仕分けでも話題

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ナノテクからスパコンまで幅広い展示を行う富士通のブース ナノテクからスパコンまで幅広い展示を行う富士通のブース
ナノテクからスパコンまで幅広い展示を行う富士通のブース ナノテクからスパコンまで幅広い展示を行う富士通のブース 全 8 枚 拡大写真

 富士通のブースには、事業仕分けでも話題になったスーパーコンピュータ「京(けい)」のシステムボード、システムラック、そして同機のプロセッサであるSPARC64 VIIIfxのシリコンウェハなどが展示されている。

 京は、名前の由来ともなった10ペタFLOPS(秒間1京回の浮動小数点演算)という性能達成を目指して、理化学研究所と富士通が共同開発している次世代スーパーコンピュータで、9月29日に最初の8台が富士通から理化学研究所に出荷されたと報じられたばかり。計画では約800台で構成されるという。

 また、同社ブースには、事前情報でもお伝えしたDNAを用いた革新的なバイオセンサー技術の展示も行われている。この技術は、2001年にスタートした同社のナノテクノロジー研究センターにおける研究成果で、特定のタンパク質を迅速かつ高い精度で検出することができるというものだ。

 タンパク質は、人間の生命維持に不可欠な栄養素であり、身体の構成要素でもあるが、それ以外にも食中毒の原因となる毒素や、癌などの病気の兆候を示す疾患マーカー、ウイルスのような病原体など、人間の健康を左右するタンパク質もある。従来、これらのタンパク質の検出を行うために、抗体に別のタンパク質を利用していた。しかし、この従来手法は、時間とコストがかかる上、微量なタンパク質の検出が難しいなど、さまざまな問題がある。

 同社は、DNA材料を素材とする人工抗体を開発し、10の14乗通りを越える人工抗体を作り出し、その中から測定対象のタンパク質を特異的に認識するパターンを選び出す技術を確立した。

 具体的には、人工抗体と光信号を出す蛍光色素を付加した信号変換器を組み合わせておき、対象となるタンパク質と人工抗体が結合した場合に、光信号に変換して知らせるようになっている。肉眼ではわからない微量な光の変化なので、専用の検査機器を利用する必要があるが、迅速かつ正確に検査することができるという。同社は、この技術を、食の安全、病気の早期発見、検疫の監視などに適用することで、安心で安全な社会が実現するとしている。

【CEATEC JAPAN 2010(Vol.32)】スパコン「京」からナノテクまで幅広く展示 …… 富士通ブース

《竹内充彦@RBBTODAY》

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