VWにスポーツEVか---ゴルフEV 開発プロジェクトリーダー

エコカー EV
カーステン・フレーク氏
カーステン・フレーク氏 全 4 枚 拡大写真

浜松市が行うEV実証実験に参加しているフォルクスワーゲン。『ゴルフ』ベースのEV試作車『ゴルフ・ブルーeモーション』(ゴルフEV)を製作し、来年度中には車両提供を行う。ゴルフEVの開発プロジェクトリーダーを務めるカーステン・フレーク氏に今後の課題などを聞いた。

【画像全4枚】

---:ゴルフEVが日本に初上陸しました。他の自動車メーカーのEVに比べて特徴はどのようなところにありますか。

カーステン氏:電力回生ブレーキが4段階設定されている点です。走行状態に合わせてドライバーは回生ブレーキの設定を行うことができます。最大で40キロワットまで回生できるように設定されています。運転時の最大出力を制御する「ドライブモード」は3種類。85キロワット、60キロワット、50キロワットと出力上限を設定できます。

---:ドライバーが細かく電力制御をする必要があるのですね。

カーステン氏:最も効率がよい走り方は、回生ブレーキをかけず、惰性で走行し続けることです。また止まるときはできるだけ回生ブレーキを作動させることで省エネにつながります。回生ブレーキをどのように設定するかはドライバー次第です。車両の各種設定については実証実験を行いながら調整していく予定です。いま3種類あるドライブモードについては、次期試作車では2種類にすることを考えています。

---:ドライブモードの変更のほかに、ゴルフEVの次期試作車はどのような車両になりそうですか。

カーステン氏:もう少し効率的にリチウムイオン電池のパックを搭載することが可能で、バッテリーは大きくも小さくもできます。方向としては少し大きくなりそうです。現状の試作車が100%の充電で約150kmの航続距離となっていますが、次期試作車はそれ以上の距離を走るということがすでにわかっています。

---:9月にドイツの自動車メーカー5社(フォルクスワーゲン、BMW、アウディ、ダイムラー、ポルシェ)がEV充電コネクターの規格統合に関して合意すると発表しました。ドイツメーカーは世界標準の確立に向けて戦略的に動いていますね。

カーステン氏:現在、ゴルフEVは前方にAC(交流)、後方にDC(直流)用の充電コネクターを搭載しています。世界基準をドイツで握りたいというよりは、EVの充電コネクターの規格に関して世界基準を作りましょう、という呼びかけととらえてもらいたいです。日本でもAC、DCと複数の形状があるのは、あまり好ましくない状態であると思います。

---:日本に加え、中国とドイツでEVの実証実験を行うということは、2013年にはこの3か国でEVが市場投入されると考えてよいのですか。

カーステン氏:ドイツでの販売はもちろんですが、市場規模をみて、世界の大都市で販売する方針です。日本は市場規模が大きく、EV販売に適していると考えます。

---:アウディが『R8』ベースのEVを開発しています。スポーツタイプのEVをラインアップする予定はありますか。

カーステン氏:今のところそういった予定はありません。ポロGTIがあるので、スポーツEVの開発予定があってもおかしくはないのですが。EVはパワフルな走りが可能なので、今後の考え方次第ではあるかもしれまん。

《土屋篤司》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『ノートオーラ』など5車種783台をリコール…光軸が保安基準を満たさない
  2. 「息を呑むような美しさ」マツダ『VISION X-COUPE』に熱視線! 新時代のクーペ像にSNSでは期待の声
  3. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  4. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  5. 【マツダ CX-5 新型】反対を押し切った「一本のプレスライン」が生み出す妙、「原点回帰」めざしたデザインとは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る