【COTY 選考コメント】エコな時代にあえて乗る価値と意義…千葉匠

自動車 ニューモデル 新型車
RCZ
RCZ 全 4 枚 拡大写真

正直なところ、今年は10ベストの開票前から“『CR-Z』と『ポロ』の一騎打ち”だろうと予想していたので、当初の悩みは「どちらを10点にするか」だった。

しかし、これは例年のことだが、悩むにつれて思うのは、“自分はこの1年、何を軸にクルマを見てきたか”ということ。「エコカーは 乗らなければ もっとエコ」。エコカーを量産・量販しても、生産と使用でエネルギー消費が増えればサステイナブル・モビリティの未来は開けない。だから去年も『プリウス』や『インサイト』には10点を付けなかった。

いま私たちのクルマ生活に必要なのは、エコな時代にあえて乗る(買う)価値と意義、つまりは「喜び」のあるクルマだ。そこで第一に趣味性をそそる商品企画、第二に存在感と個性のあるデザイン、第三に運転する楽しさを今年の選考基準とした。

この基準で急浮上したのがプジョー『RCZ』である。

クーペの趣味性は言うまでもないが、何度か試乗して3つの基準で少しずつCR-Zを上回ると確信し、RCZに10点。CR-Zは7点。以下は主としてデザインを見比べ、ジャガー『XJ』に4点、『ポロ』と『スイフト』に2点ずつとした。ポロは良く出来たクルマだけど、「『ゴルフ』の弟」という以上の強い個性を感じにくい。それが当初の「10点候補」を2点にとどめた最大の理由である。

千葉匠|デザインジャーナリスト/AJAJ理事
デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  2. 【フィアット 600ハイブリッド 新型試乗】意外にもBEV版よりスムースで快適! 価格にも「親近感」…島崎七生人
  3. 新型EVセダン『マツダ6e』、カーフェスト2025で英国一般初公開へ
  4. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  5. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  3. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
ランキングをもっと見る