今回の配点は、ホンダ『CR-Z』に10点、VW『ポロ』とプジョー『RCZ』に各々5点、スズキ『スイフト』に3点、トヨタ『マークX』に2点とした。
日本を含め、もはやHVやEVは特殊な存在ではなくなっている。こうした傾向はこれからもさらに推し進められるはず。しかし、ポロやスイフトなどの例を見るまでも無く、ガソリンエンジン車の中にも傑出したモデルがあるのも事実。というわけで、今年も配点には大いに苦労させられたというのが本音である。お気楽にやっているように見えるかも知れないが、COTYの配点も結構大変なんですゾ。
CR-Zに最高点を与えたのは、HVとしては、システムそのものは既存のホンダ独自のIMAシステムのままながら、エンジンを新しいものとし、シャシーやボディ・スタイリングなどまでを新設計としている点、さらに、走らせてもHVであることを忘れさせるほど洗練された走りのフィーリングを実現している点などを評価した。
ただし、出来の悪いパチンコ台を思わせるインスツルメンツ・パネルの色使いとデザインは何とかならないものか? それと、多少価格は高くなっても、総アルミニウム製のCR-Zは造れないだろうか? これが実現できれば、あの『NSX』に勝るとも劣らないスーパーマシンになるのは間違いないと思うのだが。
早稲田大学・大隈記念講堂という、予想外の場所で行われた今回のCOTY最終選考会。面白く、またきわめて有意義だった。
川上完|モータージャーナリスト
カメラマンを経て自動車評論を始める。特にメーカー・ヒストリーや個々のモデルについての歴史的な記事を得意とする。趣味のミニチュアカー収集は40年以上のキャリアを持つ。集めた台数は不明。5台のクルマと共に新潟県越後湯沢に暮らす。1946年生まれ。