iTunes Store 映画提供、アップル幹部が展望を語る

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iTunes Storeでの映画話題作紹介 iTunes Storeでの映画話題作紹介
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 すでに米国では2006年から提供されてきたiTunes Storeにおける映画提供サービス。このたび、4年のときを経てようやく日本に上陸し、2010年11月11日からサービス開始となった。

 現在、iTunes Storeにアクセスすると上部タブに「映画」が増えていることに気づかれるだろう。これこそが映画の入り口で、そのタブをクリックすれば「注目作品」「名作」「アート&インディーズ」などのカテゴリで作品がずらりと並ぶ。これまでiTunesのアカウントを利用して音楽を購入したことのある人なら、音楽を購入するのと同じ感覚で「ポチッと」映画をダウンロードできるわけだ。

 当初はハリウッドメジャー5社(20世紀フォックス、パラマウント・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・スタジオ、ワーナー・ブラザース、ユニバーサル・ピクチャーズ)、日本のコンテンツ企業6社(アスミック・エース・エンターテインメント、フジテレビ、角川映画、日活、松竹、東映)が賛同し、1,000本以上の映画を提供。MacやWindowsマシンのほか、iPhone、iPod touch、iPadでも購入・レンタルした映画を楽しむことが可能だ。

 今回、米国AppleからiTunesの担当者であるピーター・ロウ氏(iTunes カナダ & アジア太平洋地域担当シニア・ディレクター)が来日。東京のアップル・ジャパンで話を聞く機会を得た。

 「作品は購入・レンタルに対応します。購入だけのものもあれば、レンタルだけのものもあり、両方が可能なものもある。また、HD画質、SD画質それぞれの作品を取り揃えています。今、日本では始まったばかりですが、他国の例と同様、今後たくさんのコンテンツを増やしていく予定です。それこそ毎週のようにね」

 気になる価格設定は、HD映画の購入価格は、旧作・準新作が2,000円、新作が2,500円。SD版は旧作が1,000円、準新作が1,500円、新作が2,000円。レンタル価格はHD版の場合、旧作が300円~、新作が500円。SD版は旧作が200円~、新作が400円となる。

 今回の映画購入・レンタルの利点は、「家にいながらにして」新作映画や名作をダウンロードできる点。レンタルショップに足を運ぶ必要がなく、観たいときに鑑賞できることになる。貸し出し中で悔しい思いをすることもない。「ストア内では、音楽と同様にランキングチャートを設けていますので、人気作品を一望できます。もちろん作品検索にも対応します。また、お気に入りの作品を見つけたら、その作品をクリックして詳細情報を見ることもできるんです」(ロウ氏)。

 詳細情報には、作品解説やユーザーレビュー、出演者・スタッフ情報などが掲載され、出演者情報にはリンクが張られている。それをクリックすると、その出演者のストア内での映画が一覧表示される……といった具合に、webサーフィンの感覚でさまざまな作品を知ることができる仕組みだ。

 レンタル作品は、30日間以内に鑑賞を始めることが条件。鑑賞開始後は48時間以内なら何度も繰り返し観ることができる。ロウ氏は27型のiMacを用いて「トイ・ストーリー3」の予告編映像を紹介した。フルスクリーン表示でも非常に美麗で、もちろん早送りや巻き戻し、ポップアップメニューによる好きなチャプターへの移動も自在である。

 もうひとつの大きなトピックが、同日から販売開始されたセットトップボックス「Apple TV」。HDテレビと接続し、リアルタイムの動画ストリーミングを楽しむことができる。セットアップは、電源を入れ、HDMIケーブルでHDテレビとつなぐだけ。あとは本体側で設定を行なえば、大画面で映画をすぐ視聴可能だ。

 今回の映画提供に関連し、メニュー画面上でiTunes Storeからの購入・レンタルが行なえることとなった。付属のリモコンで操作し、直感的に利用できるのがポイント。また、App Storeから無料アプリの「Remote」をダウンロードし、iPhone、iPod touch、iPadをタッチリモコン代わりに利用することもできる。

 大画面テレビでの視聴デモでは、まるでBlu-rayディスクを観ているかのような滑らかな再生に驚く。先にロウ氏が挙げたように、作品には予告編が付属していることから、予告編だけを次々と再生していくだけでも十分に楽しめるだろう。わずか98mmの幅・奥行き、高さ23mmの筺体は、片手で持てるサイズで、テレビの前に置いてもスペースのじゃまにならない。ブラックで統一されたデザインも秀逸なものだ。価格は8,800円。ただし視聴にはブロードバンド通信環境(可能なら無線LAN)は必須となる。

 これだけ手軽なセットアップにより、自宅で映画購入・レンタルが可能となれば、必ずしも、「とんがったアップル製品」を好むユーザーだけではなく、より一般的なユーザーへ向けてアピールした方がいいのではないか――こうした質問に対して、ロウ氏は次のように答えた。

「まさにその通りです。日本では、iPhoneやiPadがこれだけ普及しました。それはデザインが気に入られたという部分もあります。もうひとつのポイントとして、わが社がハードとサービスをシームレスに提供できる点にあると思います。ですから、我々としても一刻も早く、日本でサービスを開始したいと感じていました」

 今後、iTunes Storeの映画提供、Apple TVの存在が日本のコンテンツ市場にどのような影響を与えるのか。いずれにしろ、今回のサービス提供のもたらす意味は大きいと思われる。

ついに日本で始まったiTunes Storeの映画提供、アップル担当者が語る展望とは?

《小口@RBBTODAY》

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