COTYは多くの人が選考委員となっているため、様々な見解の集約がCOTYになると思っている。ボクはといえばいつも10年後に選ばれて当然と言う視点で選定しているつもりだ。
今年はホンダ『CR-Z』を10点としたが、日本は現時点でハイブリッド先進国。本来は内燃機関の改良が先にあるべきだと思うが、その次にはHVも視野に入れとおかなければならないだろう。そのためにもHV技術は磨いておくべきだと思う。
そのハイブリッドを上手く応用してスポーツカーにも使い、具体化したことに敬意を表した。それにハイブリット以外にも運転して面白い車体性能もCOTYに値すると思う。
一方、次点としたVW『ポロ』の性能にも驚いた。その実力はこのクラスとして群を抜いている。エンジンのダウンサイジングとトランスミッションの革新はさすがVW、王道を歩んでいる。もっと突き詰めれば更に小さいエンジンがポロにとっては最適だと思うが。
まだまだ自動車技術は奥が深いと思わせてくれた今年のCOTYだった。
日下部保雄|モータージャナリスト/日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長
大学時代よりラリー/レースに参戦し、国内外の競技で活躍、数々のタイトルを得る。またテストドライバーとして開発評価を行なう。これらと並行して、モータースポーツの経験を活かしてジャーナリストとしての活動を70年代後半よりスタート。専門誌をはじめTV、ラジオ、ウェブなどのメディアにも試乗レポートやコラムを多数寄稿。安全で楽しいドライビングを目指してドライビングスクールも主宰する。2006年よりAJAJ会長。