【三菱ふそう キャンター 新型】機能性をスタイリングにとけ込ませるために

自動車 ニューモデル 新型車
キャンター新型
キャンター新型 全 9 枚 拡大写真

8代目となった『キャンター』のエクステリアデザインのコンセプトは“タフ&ソリッド”。タフは信頼感や力強さ、ソリッドは精密さや緻密さを表現しているという。

そのソリッドについて、三菱ふそう開発本部エンタイヤービークル開発統括部デザイン部マネージャーの神田浩史さんは、その一例としてフロントのパネル合わせをあげる。「通常コーナーパネル、フロントパネル、グリル、ヘッドランプそれぞれの合わせは、通常は同じ位置ではやりません。なぜなら、僅かでもずれると非常に目立つからです。しかし、あえて今回はチャレンジして緻密さを表現したのです」という。

また、小型トラックは街中での使用頻度が高いという特徴がある。同じくデザイン部の土出哲之さんは、「信頼感や力強さばかりではなく、どこかニュアンスのある表現もしてあげることで、街中でも嫌な印象を持たれないようにしています」と話す。

例えば、ミラー下の膨らみがある。これはミラー格納のためのモーターが収まる場所で、最初から出っ張るのは分かっていたという。「その欠点をデザインのポイントとしました。比較的力強い中にも柔らかく、すっと払ってドアに向かって消えていく影の表現(膨らみの下の部分)を入れたのです」という。「本当はデザイン上無くしたいのですがそれはできませんし、『仕方なくこうなってしまった』とはしたくなかったのです」。

いっぽうインテリアは“ライブリー&ハーモニアス”がデザインテーマ。神田さんは、「(先代の)室内の広さは非常に評価されましたが、逆に収納が足りないということや、もうちょっとリッチなインパネが欲しいという声がユーザーからありました」という。そこで、今回はそういった改善に努めた。

「これまでは機能的過ぎたので、今回は、明るく楽しく仕事をしてもらえるような空間にしています」といい、また、「DUONIC(デュオニック=三菱ふそうのデュアルクラッチトランスミッション)でだいぶ乗用車的な運転が出来る機能になってきましたので、乗用車と同じとまではいきませんが、それと同じような空間でリラックスしてもらうということは非常に大切かなと、そのあたりは特に主張したデザインとなっています」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  3. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  4. 日産 リーフ 新型の価格を予想する!…ベースは400万円台前半か
  5. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る