19日午後1時55分頃、静岡県三島市の東海道新幹線三島駅で、新幹線ひかりの一部ドアが開かず、約10人の乗客が降り遅れた。乗客は次の停車駅の新横浜で新幹線を乗り換え、引き返した。
不具合があったのは、岡山発東京行きのひかり470号(300系16両編成)。三島駅到着時に東京方向の3号車のドア、大阪方向の4号車と6号車のドアの3か所が開かなかった。
運行したJR東海の東京広報室は「モニター上では乗務員がドアが開いていることを確認している。傘などが食い込みドアが開かないことはあるが、今回のようになぜ3か所も同時に開かなかったのかは不明」と、話す。
東海道新幹線は、1両に東京方向と大阪方向の2か所のドアがある普通車両と、1か所だけのグリーン車がある。16両編成のドアは全部で片側29か所。そのうちの3か所でドアが開かないのに、モニター上ではすべてのドアが開いたことになっていた。
ドアの開閉は、運転士の乗る先頭車両とグリーン車横の車掌室、そして車掌の乗る最後尾車両の3か所で確認ができる。また、車両の側面には車側灯が設置され、ランプの点滅で駅員もドアの開閉を車両ごとに確認することができる。
「三島駅では9号車付近に駅員が立つ。グリーン車の車掌室は8号車にある。例えば、6号車のドアが開かずに異常を示したなら、当然だれかが気付くはずだ」と、関係者は語る。
ひかり470号はJR西日本が所有する車両で、1993年2月に作られた。11月12日には定期検査の中では最も詳細な全般検査を済ませ、不具合が起きる前日には目視による仕業検査も終わっていた。
ただ、始発の岡山駅から静岡駅までは、すべて三島駅とは反対側のドアが開く。三島駅に停車するまでドアを作動させなかったわけだから、470号のどこで不具合が生じたか、特定は難しい。
現在、車両は品川区の東京修繕車両所に運ばれ、故障といたずらの両面で原因の究明が続いている。