【スバル フォレスターtS】後付けできない20%に味がある

自動車 ニューモデル 新型車
フォレスターts_02
フォレスターts_02 全 10 枚 拡大写真

車名に「tS」が付けられたSTIのコンプリートカーは『レガシィ』が最初で、『フォレスター』は2番目となる。STIのクルマづくりのコンセプトである“Sport, Always!”を採用したモデルだ。

ところでコンプリートカーと後からSTIのパーツを追加したクルマの違いとはいったいなんなのだろうか。

スバルテクニカインターナショナル(STI)の車両実験部に所属し、フォレスターtSの足回りを担当したエンジニアの坂田元憲さんは「コンプリートカーの場合はSTIのパーツを組み込んでいるのはもちろんですが、後付けできないような細かなパーツの装着を製造工程時に組み込めるよう、工場の方にお願いしています」と説明する。細かなパーツとは、ゴムブッシュの類だという。

「フォレスターtSのベースとなったS-EDITIONに対し、STIの販売する後付けパーツをすべて組み込んだと仮定した場合、tSの乗り味にどこまで近づけることができるのか?」という、ちょっといじわるな質問もぶつけてみた。坂田さんは「難しい質問ですね」と悩みながらも、「80%程度…ですかねえ。100%に至らないのは事実だと思います」と答えた。

後付けパーツをすべて装着しても80%程度ということに驚かされたが、坂田さんは「その足らない20%にSTIコンプリートカーとしての味があるのです。製造工程時にやらないと埋まらない、達成できない味が。価格はベースカーよりもだいぶ高くなってしまうのですが、STIのエンジニアとしてお勧めしたいのは、実はその20%の部分なのです」という。

ちなみにフォレスターのS-EDITIONは約310万円。これに対してtSは約360万円となる。たしかにこのご時勢で50万円のアップは辛いようにも思えるが、「男性の方はもちろんですが、できれば女性の方にもフォレスターtSを運転してもらい、そのハンドリングと乗り心地の良さを実感していただきたい。海外ブランドもいいですが、日本ブランドの本気を感じてください」とも坂田さんはいう。

「フォレスターtSに走りの楽しさを盛り込んだのはもちろんなのですが、ハンドリングの良さも両立させています。クルマのサイズからは想像できないほどスムーズに動きますし、SUVとしては抜群の操縦安定性を誇る安全なクルマです。旦那さんの道楽のためでなく、家族の、お子様の安全のためにこのクルマをお勧めしたいです」(坂田さん)

走りのSTIではあるが、同時に安全のSTIでもある。フォレスターtSは限定300台。今ならまだ十分に間に合うそうだ。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  3. リトラと決別した「ワイルド・キャット」、3代目ホンダ『プレリュード』【懐かしのカーカタログ】
  4. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  5. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る