【CAR NAVITIME vs ソニー nav-u】自車位置精度と渋滞回避能力の優劣はいかに

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ソニー nav-u NV-U76VT(左)とナビタイムジャパン CAR NAVITIME WND-01K
ソニー nav-u NV-U76VT(左)とナビタイムジャパン CAR NAVITIME WND-01K 全 24 枚 拡大写真

スタンドアローンPND代表のソニー『nav-u NV-U76VT』と、通信PND代表の『CAR NAVITIME WND-01K』との比較インプレ第2弾,となる今回は、実際にナビゲーションさせて自車位置の精度と音声ガイダンスの的確さ、そして渋滞回避能力を見ていこう。

今回は、川崎市麻生区付近を出発点とし、東名川崎インターから首都高渋谷線を経由して大橋ジャンクションから山手トンネルに入り、初台出口から山手通りを経てオフィスのある中野坂上へ向かうという高速道路主体のルートで試した。

◆両者譲らぬ自車位置測位精度

nav-u、そしてCAR NAVITIME両者共に加速度センサーとジャイロを搭載しており、高精度測位を謳う。とくにnav-uは方向ジャイロセンサーと3軸加速度センサーを組み合わせ、「POSITION plus GT(ポジションプラスGT)」と呼ぶ測位技術を得ているが、総じて両者ともに自車位置を見失うことはなかった。とくに大橋ジャンクションのスパイラルカーブでは、フルナビですらロストすることのある難コースだけに、PNDでは荷が重いと思ったが見事クリア。

高架下やビルの谷間でも測位がブレたり、間違えて高速に乗っていると判断してしまうといったこともなく、両者の精度の高さには改めて驚かされた。特に、通信機能ばかりが注目されがちなCAR NAVITIMEだが、基本性能は相当高い。これまでフルナビを使ってきたユーザーも満足できる実力を備えている。

◆分かりやすく案内してくれるのはどっちだ

ルート案内は総じて正確だ。どちらも交差点の音声読み上げ機能が備わっており、高速道路走行時は合流の警告も行ってくれる。

いま曲がるべき交差点で、必要な情報だけを提供する“迷わせない工夫”がなされているのはCAR NAVITIMEのほうだ。交差点に近づくと、通常地図と交差点拡大図(あるいは方面看板/高速出入り口拡大イラスト)のみが表示されので、表示する情報のメリハリが利いている。このあたりはケータイナビの「ナビタイム ドライブサポーター」の案内とも共通する部分といえる。

案内ルートのビジュアルの美しさは、nav-uに軍配が上がるが、デフォルトの設定では拡大矢印や交差点拡大図、そして通常の地図と狭い画面にたくさんの情報が表示されすぎて、少々画面がうるさいと感じる時がある。

◆渋滞回避能力で差が出た

渋滞の回避能力を調べてみたが、CAR NAVITIMEの渋滞回避機能は強力だ。目的地を設定する時点で、現時点の渋滞を考慮したルートを引いてくれるし、走り出せば数分おきに通信をおこない、ルート上の交通状況の変化に応じて随時ルートを引き直してくれる。

また、同じCAR NAVITIMEユーザーに加えて、ケータイで利用されているNAVITIMEとEZ助手席ナビユーザーからの走行状況を共有できるプローブ機能もついており、今後ユーザーが広がってくれば、VICS対象道路以外の道路でも高精度の交通情報が入手できるようになると言うわけだ。なお、CAR NAVITIMEでは、基本メニュー>ドライブ情報>道路交通情報・渋滞予測メニューで、現在地周辺や指定の道路・地域のリアルタイム渋滞情報を入手でき、時間ごとの渋滞予測も可能。最新地点データや地図更新が利用できる上に、ここまで至れり尽くせりのルートガイダンスを提供しながら、月額525円というコストパフォーマンスを実現しているところがCAR NAVITIMEのすごさだ。

また、駐車場の満空情報や周辺検索の情報鮮度という点から見ても、やはり通信で最新情報を入手できる強みは随所に感じられる。

◆U76VTはオプションでビーコンユニットに対応、ただし価格がネック

U76VTにはVICS統計データが収録されているので、最初の目的地設定時には、渋滞を予測したルート設定を行ってくれる。これがあるのとないのでは、到着時間が大きく異なってくるのは筆者も経験済みだ。ただ、FM-VICSが標準のU76VTには、突発的な渋滞は渋滞を回避することができない。リアルタイムの交通情報を入手して渋滞回避ルートの案内をさせたいのであれば、別売りのVICSビーコンユニットを購入するという手もある。が、2万円近くする価格はちょっと考えさせられる。

nav-uは、今回は取り上げられなかったが、音楽・映像再生などのエンターテインメント機能、PetaMapとの連携、Bluetoothハンズフリーといった多彩な周辺機能が売り。徒歩ナビ機能もあり、カーナビ用途を中心としつつも、テレビやガイドブック代わりにも用いるガジェット的な性格も帯びている。

一方のCAR NAVITIMEはエンタメ機能はワンセグくらいで、あとは通信利用のナビゲーション機能の充実に特化させている。逆にいえば余計な機能を持たない分、ナビ機能は徹底して磨かれておりUI体系も明確だ。したがって、カーナビをヘビーに使う層、都市部での利用が多いユーザーほど、CAR NAVITIMEのメリットは倍加していくはず。そして通信機能は、一度その恩恵を味わってしまうともう手離すことができない便利さを持っている。

《北島友和》

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