【ホンダ フィットHV 試乗】値ごろ感のある最安値…松下宏

試乗記 国産車
フィットHV
フィットHV 全 12 枚 拡大写真
ホンダが低コストのハイブリッドシステムというIMA方式のメリットを生かし、『フィット』にハイブリッド車を設定した。それもスタート価格が159万円からという値ごろ感のある最安価格での発売だ。

クルマに乗り込んでイグニッションを回すとエンジンがかかってアイドリングが始まる。プリウスなどと違ってIMA方式は基本的にエンジンがかかった状態でなり、モーターがアシストする仕組みだ。

走り出してからも普通のクルマと変わらない感覚で運転できる。アクセルの踏み込みに対応して滑らかにモーターがアシストするので、モーターが働いているかどうかはエネルギーモニターを見ないと分からない。それくらいに自然なフィールだ。

追い越し加速を得ようとアクセルを強く踏み込んでも、瞬間的に加速が立ち上がるのではなくスムーズに力が加わってくる感じなのだ。とても上質な加速フィールといえる。

定速走行中に少しずつアクセルペダルを緩めていくと気筒休止モードになりEV走行に入る。IMA方式のハイブリッドではスイッチなどで積極的にEVモードを選ぶことはできないが、上手に走らせることでEV走行に持ち込むことができるのだ。

このときインパネ内にはEV走行であることがとても小さく表示される。これも注意して見ないと分からないくらいだ。アクセルペダルから完全に足を離してしまうと、燃料カットの空走状態からエネルギー回生に入るのでEV走行はできない。アクセルを少しだけ踏むのがEV走行のコツだ。

ハイブリッド車は、エンジン回転が抑えられるだけでなく、遮音対策などもなされているので、標準のガソリン車に比べるとずっと静かな走りが得られる。

ベース車に対して30万円高い価格設定だが、装備の中身を計算し、エコカー減税なども考慮に入れると、ハイブリッドの割高感はほんの数万円程度でしかない。買いのモデルといって良い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  2. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  3. トヨタと別れ独自開発? BMW『Z4』次期型の最終デザインを占う!
  4. ダイハツ『ムーヴ』開発責任者が語る、スライドドアを採用した「3つの理由」
  5. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る