電動バイク天国上海、充電インフラはどこにあるの?…現地レポート

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業務用の3輪電動バイク
業務用の3輪電動バイク 全 13 枚 拡大写真

中国の上海では、電動のバイクや自転車が市民の足、生活の足として普及している。が、上海の街中で充電スタンドを見たことがない!

【画像全13枚】

中国の電動自転車は、アシスト機能ではなく、バッテリーとモーターによって漕がずに走ることができる。日本では、EVの普及に際しては充電インフラの整備がネックと言われている。はたして中国の電動バイクはどこで充電されるのだろうか。現地取材レポートをお送りする。 

インタビューに答えてくれたのは、上海市内で洋品店を経営するWang Renfei氏(32歳)だ。店先でちょうど充電中のバイクが停めてあったので、バイクについて聞いてみた。 

--- Wangさんの持っている電動バイクはいくらで購入しましたか。 

確か2000元ちょっとだったと思います。この手のバイクはだいたいそれくらいの値段から変えます。
 
--- どこで購入しましたか。
 
インターネットです。自転車屋やオートバイショップでも買えますよ。 

--- お店の交流電源で充電しているようですが、1回の充電時間はどれくらいでしょうか。 

フル充電でおよそ10時間です。充電は家庭用(中国では240V)電源で行います。
 
--- 最高速度と航続距離について教えてください。 

出そうと思えば70~80km/hくらいでますよ。上海は坂が少ないので、うまく走れば100kmくらい走らせることもあります。
 
--- 運転には免許証が必要ですか。 

はい。バイクの免許が必要です。 

--- この電動バイクは毎日使っているのですか。
 
仕事での商品の仕入れ、買い出しなどで毎日使っています。いつもこうやって店か自宅で充電しています。 

続いて、ビジネスマン風の男性にインフラなどについて聞いてみた。名前はLin Bohan氏(仮名)とだけ教えてくれた。
 
--- 上海の住宅は高層マンションがほとんどです。このような人たちは電動バイクをどのように充電しているのですか。
 
基本的に、上海の高層マンションには電動バイク用の充電スポット(ACアウトレット)が地上の公共スペースに設置されています。もちろん数が足りない場合もありますので、バッテリー部分がとりはずせるタイプの電動バイクを選ぶ人もいます。こちらは、自分の部屋に持ち込んで充電します。 

--- その場合、電気代はどのようにして支払っているのですか。 

基本的に電気代は定額で家賃といっしょに払っています。家賃には光熱費なども含まれているので、使う量は関係ありません。 

--- 電気代は月いくらくらいなのでしょうか。 

家賃に含まれていますが、だいたい500元(約6200円)くらいです。 

--- 上海市内のホワイトカラーの人の月給が2000元(約2万5000円)からと聞いています。かなり高いですね。 

はい。もっともらっている人もいますが、確かにそれなりの負担です。しかし、都市部は電力などの供給が安定しているので安い方です。内陸部は電力事情もよくなく、電気代もさらに高い設定になるそうです。 

--- 通勤に電動バイクなどを使う場合、会社のビルなどにも駐輪スペースや充電インフラはありますか。 

基本的にはありません。周辺の歩道や地下鉄の出入り口周辺の歩道を駐輪スペースとして使います。そのような場所には、監視員が立っており、駐輪代を支払います。 

なお、中国製の電動バイクの平均的なスペックは以下のとおりだ。 
モーター:ブラシレスモーター
バッテリー:鉛バッテリー
電圧:48V
出力:300~500W
充電時間:8時間
航続距離:60km前後
最高速度:70km/h
最大積載量:120kg 

このようにスペックはいたってシンプル。普通のスクーターにオーソドックスな鉛バッテリーを搭載し、エンジン部分を電気モーターに置き換えたものだ。一部には、リチウムイオンバッテリーを採用したものや、インホイールモーターを採用したものも存在した。これにブレーキ、ブレーキランプ、ウインカー、ヘッドライトなど保安装備が取り付けられる。
 
現地の人によれば、市場には完成品の売買だけでなく、エンジン式のバイクや足こぎ自転車を電動に改造してくれるショップもあるそうだ。仕事用にリヤカーを取り付けたり、三輪にして大きな荷台を取り付けたものもを作ってくれる業者も存在するとのことだ。 

案ずるより行うが易し。ここ上海の事例を見る限り、車両の電動化にインフラ整備は必須でないとみえる。少なくとも、2輪車に求められる航続距離と電池の性能、価格と利便は見事にバランスしている。 

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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