日野自動車の白井芳夫社長は20日、本社工場の閉鎖について、「生産を止めずに新しい生産システムを構築するため」に必要な措置であることを明らかにした。
日野は、大・中型トラックを生産している本社工場(東京都日野市)を2020年までに閉鎖して茨城県古河市に建設する新工場へ移管することを決めた。
白井社長は都内で行った会見後、一部報道陣に語った。白井社長は工場移転について、本社工場の老朽化や周辺の市街地化に伴う制約などに加えて、「新しい車造りなので、今の工場のままでやろうとすると生産を止めなくてはいけなくなる」と語った。
日野が新たに取り組む生産システムは、拡大する海外需要と多品種少量生産という商用車ならではの課題を両立させるためのもの。日本で中核部品を集中的に生産し、最終的な車両の組み立てを海外の各地域で、その市場のニーズに合わせた仕様を盛り込んだ上で行うという。
さらに白井社長は、日本で集中生産する中核部品に関して「世に言う“インテルインサイド”みたいに、最終的にはコアになる部品がウチだけじゃなくて他社にも使ってもらえるかもしれない」と述べた。