【日産 フーガHV 試乗】効率の良さは大したもの…松下宏

試乗記 国産車
フーガハイブリッド
フーガハイブリッド 全 3 枚 拡大写真

日産が改めてハイブリッドに取り組んだのが『フーガハイブリッド』。1モーター2クラッチ方式という独特のハイブリッドシステムを採用した。エンジン、モーター、トランスミッションを縦に並べ、それぞれの中間にクラッチを置く方式で、FR車には特に適しており、モーターによるEV走行も可能な仕組みだ。

発進はほぼ確実にモーターだけで走り出す。とても静かで滑らかな走りだ。緩やかに走り出すとそのままモーターだけでかなりの距離を走れる。

フーガハイブリッドにはタコメーターが装備されていて、EV走行でエンジンが停止するとタコメーターの針がゼロを指す。針が止まったままの状態で走れるのはちょっと妙な感じだ。

アクセルを強く踏むなどするとエンジンがかかるが、このときにほとんどショックを感じない。アクセルの踏み込みに対して一瞬のラグを感じるが、すぐにタコメーターの針が動いてエンジンとモーターの足し算で走る。

そして少しでも余裕ができるとエンジンの動力を電池への充電に回す。リチウムイオン電池を使っているので、ニッケル水素電池に比べて電気の出し入れ性能に優れている。このことが変速ショックを抑えたり、燃費を良くしたりすることにつながっている。

加速時にEV走行からエンジンが始動して低速ギアに切り替わったときの変速ショックは、よほどの意地悪テストのようなことをしないと出ない。普通のドライバーなら、少々急な加減速をしてもショックを感じることはないだろう。

比較的シンプルなメカニズムでありながら、10・15モード燃費で19km/リットルを達成しているのは立派。これだけ効率の良いハイブリッドに仕上げたのは大したものだと思う。

ただし、価格はちょっと高めというか、『クラウン』の価格を横目でにらみ、それに合わせた価格にした印象。なので、クラウンよりはちょっと割安な設定だが、際立って安いわけではなく、普通にハイブリッド車らしいやや高めの価格になっている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. VW『ゴルフGTI』50年の歴史で最強、325馬力の「EDITION 50」発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  4. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る