【フォード クーガ 試乗】ビックリ、納得、感心のSUV…まるも亜希子

試乗記 輸入車
クーガ
クーガ 全 12 枚 拡大写真

ドイツで生産される『クーガ』は、どこかビシッとした雰囲気をまとっている。クーペのような流麗さと、SUVのダイナミック感がギュッと凝縮したようなスタイリングは、現代を生きる女性にもすんなり似合いそう。

意表をつく場所(センターパネルの中央)にあるエンジンスタートボタンに驚きつつ、走りだしてみると意外なほどシャープな身のこなし。コーナリングではブレのない落ち着いた姿勢を保ってくれる。

2.5リットル直5ターボエンジンは200psと十分なパワーだけど、組み合わされた5速ATは今ドキにはちょっと古くさく感じるし、プラットフォームだって既存のものだから、正直なところ、箱根をこんなにワクワクしながら走れるなんて思っていなかった。

でもよく考えてみれば、エンジンもプラットフォームも、もともとはヨーロッパフォード屈指のハイパフォーマンスモデル、『フォーカスST』に用意されたもの。それにクーガのAWDシステムは、最新の第4世代ハルデックスカップリングが採用されて、きめ細かな制御技術が得意。CBC(コーナー・ブレーキ・コントロール)など、走安性や安全性にかかわる装備も豊富だ。俊敏な走りと引き換えに、犠牲になりがちな乗り心地がとても良かったのは、このインテリジェントAWDの働きが大きいはず。

さらに、足元や座面の下に収納があったり、テールゲートはガラス部分のみの開閉ができたりと、使い勝手の良さも文句なし。右ハンドルで乗れるし、価格も輸入SUVとしては手頃。そんなクーガはきっと、ビックリして、感心して、納得する、満足感の高いSUVだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

まるも亜希子|カーライフ・ジャーナリスト

映画声優、自動車雑誌編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。現在は雑誌・ウェブサイト・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー(2010-2011等)選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。公式ブログ『運転席DEナマトーク!』他アップ中。ニッポン放送『DRIVE with ECO&DREAM』(毎週金曜日19:40〜)パーソナリティ。

《まるも亜希子》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る