マラソン中継の映像が乱れない…NHKが受信システムを開発

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今回開発された「16入力基地局MIMO受信装置」 今回開発された「16入力基地局MIMO受信装置」
今回開発された「16入力基地局MIMO受信装置」 今回開発された「16入力基地局MIMO受信装置」 全 2 枚 拡大写真

 NHKは4日、マラソンや駅伝などのスポーツ競技を広いエリアで映像が乱れずに移動中継できる受信システムを開発したことを発表した。

 マラソンなどのスポーツ中継では、移動するバイクや中継車から映像を無線で送り、複数の受信点で受信する。そして、各受信点の受信映像を専用線で中継本部まで伝送するのが通常の形だ。従来は、中継本部で各受信点の受信映像のなかから、もっともノイズの少ない映像を選択する方法が主流だったが、この方式では専用の「FPU受信機」を受信点の数だけ用意する必要があり、また状況によっては映像が乱れる可能性が残されていた。

 今回NHKでは、中継本部まで専用線で伝送された各受信点の受信映像のなかから、よりノイズの少ない映像にするのに適した幾つかの映像を、自動的に選択して組み合わせる受信装置をあらたに開発した。各受信点から専用線で送られた映像を中継本部の新受信装置で受信し、最大16の受信点の映像のなかから、よりノイズの少ない映像にするのに適した4つの映像を自動的に選択して組み合わせる。新受信装置は、現行の標準規格「ARIB STD-B33」に準拠したOFDM方式の信号に対応する他、MIMO-OFDM方式にも対応しており、OFDM方式では信号対雑音比(S/N比)が大きい4つの映像を、MIMO-OFDM方式では相関の低い4つの映像を選択して組み合わせる。

 これにより、受信位置の異なる複数の映像を組み合わせることができるため、映像の乱れを抑えることができる。異なる受信点の受信映像を組み合わせるため、中継本部までの映像到達時間のずれを補正する信号を活用。従来の技術ではできなかった数km~数十kmと大きく離れた受信点からの映像を組み合わせることが初めて可能になっている。従来方式では距離差1.8km以内の受信点しか補正できなかったが、新受信装置は最大160km離れた受信点でも組み合わせが可能。新装置は3月6日に開催される「びわ湖毎日マラソン」の番組中継で初めて使用される予定。

NHK、広いエリアの移動中継でも映像が乱れない受信システムを開発……マラソン中継などで活用

《冨岡晶@RBB TODAY》

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