【ボルボ S60 試乗】一貫したスポーツセダンのキャラクター…千葉匠

試乗記 輸入車
S60
S60 全 12 枚 拡大写真

全長が4.6mを超えるスポーツセダンの『S60』に1.6リットルエンジンとは……。世の中、変わったものだ。しかもこの直噴ターボは充分以上に速い。

もちろん3リットルターボを積む「T-6」にはやや及ばないが、エンジンが軽いおかげでより俊敏なハンドリングを見せるというオマケがつく。

デザインも変わった。95年の初代(先代)『S40』以降、ボルボはそれまでのボクシーフォルムを脱しつつ、しかし伝統も重んじたデザイン・アイデンティティの構築に努力してきた。「昔と違って丸みを帯びているけれど、でもボルボらしいね」というデザインだ。それがラインナップを一巡して、『XC60』から「ボルボデザインの新時代」に進化しつつある。新型S60はその第2弾だ。

今回のデザインテーマは「モーション」。サイドビューを見れば、勢いのあるラインがノーズからリヤエンドへと延びる。セダンだからもちろんトランクリッドを備えるが、見た目にはファストバックの4ドア・クーペに近いダイナミックなプロポーションだ。

もうひとつ特徴的なのはサイドのキャラクターライン。前後のタイヤの上で弧を描くことでタイヤの踏ん張り感を表現しつつ、その間のドアのところではラインを低く抑えて低重心に見せている。

1.6リットルも3リットルも乗り心地は硬め。高速道路ではとくに3リットルのフラット感が印象的な一方、タウンスピードではちょっとゴツゴツする。しかしそれも、スポーティなデザインに相応しい演出と言えるだろう。外観を見て期待したスポーツセダンとしてのキャラクターが、乗っても一貫して感じられる。そこがS60の魅力だと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

千葉匠|デザインジャーナリスト/AJAJ理事
デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て 88年末よりフリー。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る