ドイツの高速道路やパリの街路、極寒のアラスカなどでの走行テストに加えて、落雷実験や大雨での防水実験もクリアしたという『リーフ』。初めて一般道で乗って感じたのは、まず操作性から乗り味までとてもシッカリしている、ということだった。EVとしてどうかというよりも、ひとつのクルマとして見て、「いいクルマだな」と思えた。
高速までの市街地では、とくにブレーキのナチュラルさに好感を持った。スーッと滑るような感覚ながら、こちらの意図通りにしっかり止まる。回生ブレーキだけれども、違和感はまったくない。
そして高速にのると、今度はその加速フィールがとてもいい。EV特有の鋭さは感じさせつつ、荒々しいところはなくとても上品。モーターからのキーンという音も小さめだった。ただ、ステアリングは軽く、カーブや高速域での直進では、もう少し剛性感が欲しかった。
横須賀PAにある急速充電器で、リーフへの充電を試してみると、初期の急速充電器はノズルとコードが重たくて難儀した記憶があるのに、かなり軽くなっていて片手でもスムーズに充電口に差し込むことができた。また、リーフの充電口がフロントグリルの位置にあり、あまり高く持ち上げなくて済んだことも良かった。
ただ、リチウムイオン電池はカラに近い状態だとスイスイと充電が進むのだけど、今回はまだ容量が8割以上残った状態からの充電だったため、満充電までの所用時間は58分との表示。実際に日常で乗る時には、充電のタイミングを計算しながらドライブするのが賢明だと実感した。
とはいえ、携帯電話で充電開始の遠隔操作をしたり、ナビで充電スポットの検索をするのはとても簡単にできたので、こうしたものを含めて「EVを使いこなしていく楽しさ」という新しい価値観が生まれたことは間違いないと感じた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
まるも亜希子|カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。現在は雑誌・ウェブサイト・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー(2010-2011等)選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。