被災後初めての原子炉建屋内画像

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福島第一原発 1号機原子炉建屋1階(17日)
福島第一原発 1号機原子炉建屋1階(17日) 全 3 枚 拡大写真

東京電力は19日、米国アイロボット社製のロボット『パックボット』が撮影した映像を公開した。原子炉建屋に続く二重扉の手前から作業員が撮影した写真に続く公開で、被災後初めて原子炉建屋内からその内部を撮影した。

12人の東電とその協力会社社員によるパックボット2台を使った作業は、17日と18日の2日間に渡って実施された。パックボットは1台を測定専用として、遠隔操作の目となる部分は2台目のカメラが担う。遠隔操作は無線によるものだ。

3号機は不明だが、1号機は3月12日午前9時30分、2号機は3月14日の18時頃を最後に、原子炉建屋に人は入っていない。当然のことながら照明もなく、闇の世界だ。

タービン建屋から原子炉建屋に続く二重扉は、各号機で南北1か所ずつある。1号機の画像は北側から入った様子で、左側に映っている柱のようなものは分電盤だ。床にはガレキが落ちているが、それが地震や津波による被災か、水素爆発による事故かは今のところわかっていない。

2号機の撮影が不鮮明なのは、この原子炉建屋の湿度が異常に高いせいだ。パックボットが計測した2号機の温度は34度から41度、湿度は94~99%であった。

「曇ってしまってロボットが迷子になって、どこにいるかわらかなくなるのが危険で先へ進めなかった。曇りを解消しないと、奥へは行けない」(東電広報担当者)

4.6m四方ある2号機原子炉建屋だが、この湿気に阻まれて、調査は二重扉から3mほどの範囲で打ち切られている。

3号機は中の損壊が激しく、行く手を阻まれた。上からだと思われる落下物が床に散らばっている。広報担当者の説明によると、本来は左側の奥に制御棒の駆動機構のユニットが見えるはずだが、画像ではシートのようなものが覆い被さってその先がわからない。

「その先に光が見えるが、大物搬入口が開いて、外の光が入ってきている状況」(広報担当者)。当然、ここからも放射性物質が放出されている可能性がある。

3号機はガレキに阻まれて、パックボットは10mほどの範囲しか動くことができなかった。部分的だが二重扉から部屋の奥の壁付近40mまでたどり着けたのは1号機だけだった。

それでも、人が踏み込めず、まったく想像の世界でしかなかった場所の環境が、わずかでもわかったのは前進だ。「中の状況を少しでも把握したいということでいうと、奥に入れなかったのも2プラントがあるが、とりあえず初期の目的は達した」(同上)。

《中島みなみ》

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