三菱自動車の益子修社長は、東日本大震災発生に伴う海外生産拠点への影響について「かなり綱渡りでやっている」とした上で、今後の状況次第では「1週間から10日位停止する可能性がある」との見通しを示した。
益子社長は19日に開幕した上海モーターショー会場で一部報道陣と懇談し、語った。益子社長は海外生産の現状について「洋上在庫とか、現地には若干の在庫があり、特に船に積んでいる分は到着までするのに2週間とか1か月かかるところもある」ため、操業は続けているとしながらも、「中国、マレーシア、タイもアメリカも非常に厳しい。生産拠点を持っている海外はかなりの綱渡りでやっているというのが実情」と述べた。
一方、大震災の影響で一時生産を休止していた国内工場が18日から再開したことについて益子社長は「ちょっと改善した、明るい兆しが見えてきたかなという感じ」とした上で、「これまでは前々日の午後5時頃に翌々日の生産1日分がどうなるかを決めていたが、今は1週間単位で生産見通しを立てるようになってきた。5月の連休明けに関しては今週中にめどを立てる」と語った。
また益子社長は「一方でまだ余震が続いている。福島原子力発電所の30キロ圏内にある会社もあり、抜本的な体制が出来上がるにはもう少し時間がかかる」とし、状況次第では国内外の工場ともに「1週間とか10日位停止する可能性はゼロではない」と述べた。