稲わらからバイオ燃料を一貫生産 三菱重工が技術を確立

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三菱重工業は、稲わらなどのソフトセルロースから自動車燃料用のバイオエタノールを製造する技術実証事業で、日本自動車技術会のJASO規格に適合するエタノールを製造する一貫技術の確立に成功した。

今回の技術開発は、農林水産省の助成を受け、兵庫県の農工・産学官連携で進めてきた「兵庫県ソフトセルロース利活用プロジェクト」での成果。実機規模のエタノールプラントでの燃料コストの試算などでも所期の目標を達成した。

今回の実証事業は、兵庫県やひょうご環境創造協会などと共同で2008年度から実施してきたもので、同社は、白鶴酒造と関西化学機械製作と3社で、バイオエタノール製造工程の実証を担当した。

具体的には、同社の二見工場に実機を模擬した実証施設を設置。エタノールを製造するまでの一連の技術を実証した。原料となった稲わらや麦わらは、兵庫県稲美町内の営農組合が提供し、効率的な収集・運搬・貯蔵技術の実証は、同協会や県立農林水産技術総合センター、三菱農機などが手掛けた。

製造工程では、三菱重工が前処理・糖化工程を、白鶴酒造が発酵工程を、関西化学機械製作が蒸留精製工程をそれぞれ担当した。

実証実験でJASOに適合するバイオ燃料が安定して製造可能であることを確認するとともに、稲わらや麦わらを原料に使用した場合の最適運転条件も検証した。

また、実証結果をもとに、兵庫県内に実用機規模のエタノールプラントを設置した場合の試算を行った。原料の収集・運搬からエタノールの製造まですべてのランニングコストについて目標としていた1リットル90円未満を達成できる見通しとなった。

稲わらなどからバイオ燃料を製造する今回の技術は、石油燃料の代替に加え、穀物の価格高騰の要因となる食料とエネルギーの競合問題解消や、メタンなど温室効果ガスの排出源となる未利用資源の活用技術として有望視されている。

三菱重工は今後、関係企業・機関などと協力しながら今回の成果を商用化に結び付けていく方針だ。

《レスポンス編集部》

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