大矢アキオの『ヴェローチェ!』…iPad2 求めて大陸縦断1260km

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独エッセンの販売店で。若者たちに人気のiPad2
独エッセンの販売店で。若者たちに人気のiPad2 全 6 枚 拡大写真
 スマートカバーは「オリガミ」
イタリアでも2011年3月25日にタブレット端末『iPad2』が販売開始された。ただし出荷遅れが発生しており、イタリアのアップル・オンラインストアを見ても「出荷は2〜3週間」と表示される日が続いている。

実際における店頭の状況はどうか? ということで、筆者はさっそく発売翌日、居住しているイタリア中部の都市シエナで店舗を巡ってみた。

【画像全6枚】

まずはチェーン系パソコン専門ショップ。デモ機は展示されていなかったが、店員は「問い合わせ数の多さは、初代のときをはるかに上回る」と語った。

参考までにイタリア価格は、Wi-fiモデルの16GBが479ユーロ(約5万8000円)、32GBが579ユーロ(約7万円)、64GBが679ユーロ(約8万2000円)、Wi-fi+3Gモデルの16GBが599ユーロ(約7万3000円)、32GBが699ユーロ(約8万5000円)、64GBが799ユーロ(約9万7000円)に設定されている(いずれも20%の付加価値税込み)。

肝心の製品予約は? との質問には、「とりあえず受け付けるが最低3〜4週間待ちは確実」という答えが返ってきた。

彼によれば、人気機種は最上級モデルである64GBで、同時に各GBモデルとも「予約客すべてが3Gモデルを選択している」という。そしてその背景を、「イタリアではいまだバブリックWi-fiが発達しておらず、家庭外での使用には3G回線が必要な場合が極めて多いため」と分析する。参考までに、イタリアで販売されるiPad2はSIMフリーである。

なお同じく店員によれば、日本において一部ファンの間で「風呂の蓋」と呼ばれているスマートカバーは、イタリアではすでに「オリガミ」とニックネームが付いているようだ。

次にチェーン系家電量販店を覗く。こちらは白黒2台のiPad2デモ機が、初代モデル1台とともに展示してあり、触れられるようになっていた。しかしこちらでも店員に聞くと、「在庫はなし。予約も受け付けない。3〜4週間で入荷予定」という答えだった。

筆者は続いて4月上旬、ドイツ・デュッセルドルフ市に赴いた。有名デパートの電気売り場を覗いたところ、初代は2台の在庫があるものの、ここでもiPad2はデモ機のみで「予約は受け付けていない」との説明だった。

いっぽうで例の「オリガミ」スマートカバーは入荷していて、何枚も在庫があるのが、なんとも皮肉に映った。

続いて37km北上したエッセン市を訪ねる。駅前に「買い物の街」というネオンサインが掲げられ、70km離れたオランダからも客が訪れるというショッピング街だ。巨大ショッピングモールの中にあるアップルの店舗には、数台のiPad2のデモ機が置かれ、若者たちのグループが操作を試していた。

ここでも在庫なしで、予約受付もなし。ショップのスタッフは筆者に済まなそうに「ただし、月単位でお待たせすることはない」と話した。ということで、自宅のイタリアから1260kmも離れた街までiPad2を求めてさまよったが、現在のところ在庫のある店舗には当たらなかったのであった。

ようやくイタリアの我が街の家電店にiPad2の入荷があったのは、4月中旬のことだ。しかし、あるのはいちばん高価な64GBのWifi+3Gモデルのみ。我が財布には、ちと痛い。

蛇足ながら、先日再度イタリアの家電店でiPad2デモ機を操作していて、重大な事実に気づいた。タッチスクリーン上に表示される「かな入力キーボード」である。

調べてみるとそれ自体は初代iPadでもiOS4.2以降をインストールすれば使えたので、iPad2の新機能ではないのだが、問題は五十音順配列しかなく、JIS配列に切り替えられないことだ。パソコンではJISかな入力している筆者としては、iPadにJIS配列かな入力がないのは、かなり衝撃だった。そのうえ「あいうえお」「かきくけこ」の縦書きも、「右から左」ではなく「左から右」に順に並んでいる。これまた日本人のマインドとしっくりこない。 

さまざまな会社が販売している外付けキーボードもあるが、かな入力に切り替えて全キーが完全に作動したというレビューになかなか当たらないのが心配だ。

iPadは、「この際、ローマ字入力に慣れろ」と筆者に語りかけているのか? 少々複雑な心境に陥っている今日この頃である。
大矢アキオの欧州通信『ヴェローチェ!』
筆者:大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)---コラムニスト。国立音楽大学卒。二玄社『SUPER CG』記者を経て、96年からシエナ在住。イタリアに対するユニークな視点と親しみやすい筆致に、老若男女犬猫問わずファンがいる。NHK『ラジオ深夜便』のレポーターをはじめ、ラジオ・テレビでも活躍中。主な著書に『カンティーナを巡る冒険旅行』、『幸せのイタリア料理!』(以上光人社)、『Hotするイタリア』(二玄社)、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)がある。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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