【D視点】グラマラスなカラス天狗…アルファロメオ MiTo

自動車 ニューモデル 新型車
アルファロメオMiToクアドリフォリオヴェルデ
アルファロメオMiToクアドリフォリオヴェルデ 全 16 枚 拡大写真
1
 カラス天狗に金剛杖

アルファロメオ『MiTo』の最強モデル「MiToクアドリフォリオヴェルデ」が日本に導入された。「エンジンオブザイヤー」受賞の1.4リットル4気筒インタークーラー付きエンジンは170馬力を発し、6速MTと組み合わされる。走行モードを変更して運転を楽しめるサスペンションや、アイドリングストップシステムが付く。

2006年に限定500台で生産されたレトログラマーなアルファロメオ『8Cコンペティツィオーネ』は、2259万円という高額にもかかわらず、日本への割り当て台数はお披露目前に完売した。08年に発表されたMiToは、好評な「8C」のデザインを引き継いだものなので、売りはデザイン。

【画像全16枚】

MiTo標準車に対するクアドリフォリオヴェルデのデザインの違いは、大口径18インチ専用アルミホイールと、ディアルエクゾーストと控えめだが、自在に飛翔するカラス天狗のような風貌があれば十分なのかもしれない。フロントフェンダーについている「幸運を呼ぶシンボル」クアドリフォリオヴェルデ(緑色の四葉のクローバ)で確かめることも出来る。

デザインと走りが揃ったMiToクアドリフォリオヴェルデは、まさに鬼に金棒、いや、カラス天狗に金剛杖だ。


2
 デザインが身上のアルファロメオ

現在はフィアットの傘下にあるアルファロメオだが、ランチアと並んでイタリアを代表するラグジュアリーカーメーカーとして知られる。1949年のヴィラデステ・コンクールデレガンスでグランプリを獲得した『6C2500ヴィラデステ』をはじめ、著名なデザインのクルマが多い。

60年代は、まさにスーパーデザイナーの時代で、ジウジアーロの『ジュリア・スプリントGT』、ピニンファリーナの『1600スパイダー・デュエット』、そしてザガートの『ジュニアZ』など、名車が多い。これら天才デザイナーの個性的なクルマは玄人好みで、今でも愛好家が多い。

2000年前後では、アルファロメオが初めてヨーロッパ・カーオブザイヤーも獲得した社内デザインの『145』は、アグリーな表情をしていた。最も成功したと言われる社内デザインの『156』も凹凸の激しい個性的な顔をしていたが、ジウジアーロのフェイスリフトにより美しい顔に整形された。その後、ジウジアーロの『159』によって、ハンサムで一般受けするアルファロメオのイメージが出来上がった。

ファニーな魅力を振りまいている社内デザインのMiToや『ジュリエッタ』は、新しさへの挑戦なのか、イタルデザインがフォルクスワーゲンの傘下になった影響か気になる。デザインで注目を集めるのはアルファロメオらしいが、完成度を忘れないで欲しい。


3
 クワドリフォリオへのオマージュ

クルマにワッペンを張るのが流行っていたころ、四葉のクローバは貴重品であった。これはアルファロメオの「クワドリフォリオヴェルデ」で、1923年の「タルガフローリオ」のレースで初めてマシンに描かれ優勝した。それ以来、ワークスチームのシンボルとなったのだ。

1918年にスポーツカーメーカーのロンバルダ自動車製造を買収したニコラ・ロメオは、ニコラロメオ技師会社を創設した。レース好きな創業者は製作した高性能スポーツカー「RL」でレースに参加し、アルファロメオの名声を一気に高めた。その後、製作したGPマシン「P2」でグランプリーレースにも参加する傍ら、レーシングスポーツカー「8C」や高級乗用車「6C」を生んだ。

第二次世界大戦後は、戦前の高級スポーツカーC6シリーズに改良を加えて生産を再開するが、大衆量産車メーカーへと転進する。しかし、レースカーで培った技術を惜しみなく投入したので、スポーティなアルファロメオのイメージが形成される。モータースポーツやF1レースへの参加もあったが、経営危機によりワークスチームは撤退した。

アルファロメオについては、デザインを楽しんだら、エンジンルームに鎮座するオールアルミブロックの高性能4気筒DOCエンジンの、大きな乾パンのような赤いロッカーカバーを見ながら、レースの栄光を懐かしむのがエンスーの慣わしだ。

D視点:
デザインの視点
筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』、2代目『マーチ』のプロデュースを担当した。東京造形大学教授を経てSTUDIO MATSUI主宰。著作に【D視点】連載を1冊にまとめた『2007【D視点】2003 カーデザインの視点』。

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『セリカ』復活へ、「現代版GT-FOUR」なるか?…土曜ニュースランキング
  2. 次期『ノート』が日産復活の切り札となる? 2027年登場へ、価格は約30万円上昇か
  3. 【スズキ クロスビー 新型試乗】独特な世界観と走りは、往年のシトロエンを思い起こさせる…中村孝仁
  4. ホンダの最高級ミニバンが復活か?『エリシオン』後継でアルファードに挑む
  5. 現代風アレンジで表情一新! スズキ『Vストローム250』7月23日発売、価格は68万5300円
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  2. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  3. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
  4. 「フィジカルAI展2026」初開催、現在地を知る!…ものづくりワールド
  5. 【日産 リーフ 新型】次世代EVのスタンダードを描いた、“スーパーエアロ”と“スーパーフラッシュ”デザイン
ランキングをもっと見る