上海モーターショーのホンダブースには、ホンダと中国企業との合弁会社である「広汽本田」が自主ブランドとして展開している「理念」の市販1号車である『S1』が展示されていた。
このS1の特徴といえるのは、広汽本田が独自開発したコンパクトセダンだということ。日本をはじめとする中国以外の国で販売されているモデルではなく、中国専用ということになっている。
しかし、である。このS1は実のところホンダが生産していた『CITY』(日本名『フィットアリア』)のモデファイ版だ。顔とお尻こそ専用デザインだが、ピラーやドアなどは先代CITYそのものだし、もちろんパッケージングはセンタータンクレイアウトだ。
興味深いのは、ホンダブースにおいてS1の隣には新型のCITYが展示してあったこと。つまり、実質的には新旧のCITYが同じブースに並んでいるのである。
2台を比較して大きく異なるのが、価格帯だ。1.5リットルと1.8リットルエンジンを積む新型CITYの値段が9.68万~14.98万元(=約122万~約189万円)。対して1.3リットルと1.5リットルエンジンを積むS1の値段は6.98万~9.98万元(=約88万~約126万円と購入しやすい。