スズキの原山保人取締役専務役員は10日、独フォルクスワーゲン(VW)との提携について「環境基盤をつくるというのがまず絶対に第一」との考えを示した。原山専務は同日、都内で開いた決算会見後に一部報道陣に対し語った。
VWとの提携発表から1年半近くが経過しても何ら具体的な成果が出ていないことについて原山専務は「何が起こっているかというと、例えば3月にVWが年次報告書を出したが、その中でスズキについて『財務的にも経営方針についても重要な影響を与えられる関連会社』と位置付けをして公表している。お互いに独立しててイコールパートナーなのに、どうして一方が他方の当事者に経営方針に重要な影響を与えられるのかが、我々は理解できていない」と指摘した。
さらに原山専務は「我々自身としては将来に協力を進めていくためにも、当初からの合意である独立したイコールパートナーという関係をきちっと確立するということをまず先行させたいということで議論をしているのが現状」と述べた。
その上で原山専務は「お互いに独立したイコールパートナーとして提携していけるという環境基盤をつくるというのがまず絶対に第一だと思っている。そのための協議は何度もやっているし、私もそれに使う時間も結構長くつかっている。従って基本問題が解決すれば進むと思う」との見通しを示した。